文科省の投資呼びかけの末路(その3)

前回の続き。

「いやいや、日本語教師になる
 には、国家資格をとらなければ
 ならないじゃないか。」

そう思われるかもしれません。

はい、おっしゃる通りです。

そして、国家資格をとる中国人
日本語教師がいずれ出てくる
でしょう。

なぜなら、登録日本語教員には
国籍条項はないからです。

日本語教員試験がどれほどの
難易度の試験になるかは、
定かではありませんが、

内容的には、外国人でもしっかり
勉強すれば合格できる試験です。

現に私が在籍している別府大学の
日本語教員養成課程の卒業生で、

在学中に日本語教育能力検定試験
に一発合格した台湾人の留学生が
います。

令和3年度前期日本語教員養成
課程修了生インタビュー0928
https://www.youtube.com/watch?v=glyItg3Qlu0

おそらく中国企業は、これから始まる
認定日本語教育機関で認定を受けた
日本語学校を徐々に買収し、

始めこそ日本人の日本語教師を
雇用するでしょうが、

徐々に内部に日本語教師養成体制
を作り、

若くて勢いのある中国人日本語教師
に変えていくのではないかと思いま
す。

これまでの国内の日本語学校がビジ
ネスとしてスケールしにくく、

その結果、日本語教師の待遇がなかな
か上がってこなかったのは、

1つには、政府の外国人受け入れ政策に
翻弄されてきたのもありますが、

もう1つは、

▼そもそも金儲けということに疎い。

▼日本語教育単体でビジネスを考えて
 いる。

▼ビジネスの形態上、コミュニケー
 ションコストが異常にかかる。

というのがあるからです。

ですが、中国の場合、圧倒的な市場
があり、

しかも、日本語教育事業単体ではなく、
人材供給の1セクションという位置づけ
で考えれば、

十分利益が出るビジネスモデルなの
です。

そして、そうした中国系日本語学校
が増えていけば、

▼補助金を出せとか、

▼在留資格取得手続きを簡素化しろ
 とか

▼法人格を与えろとか

結束して日本政府にいろいろと
要望を出してくることでしょう。

人口減少、労働者人口の減少という
危機的バックがある政府としては、

無視できない存在になるのでは
ないかと思います。

このあたり、実は既存の日系日本語
学校が弱いところです。

というのも、今回の政府の日本語学校
改革の中で、

「日本語学校を法人化して補助金を
 出そう。」

という話があったそうですが、

結局、ぼしゃってしまったそうです。

なぜなら、既存の学校法人の日本語
学校が猛烈に反対したから。

国内の日本語学校の7割は株式会社
で、学校法人格の日本語学校は少数派
なのに、

どうしてこうなったのかと関係者に
聞いたところ、

「日本語学校の団体は、現在6団体。
 うち3団体は学校法人。
 なので、団体単位で言えば半分が
 反対という形になるから。」

とのことでした。

多文化共生の欠点は、

「とにかく意見がまとまらない。」

こと。

そうこうしているうちに中国系
日本語学校が、いくつも団体を
作り、

政府にいろいろと圧力をかけて
来るのではないかと思います。

とはいえ、政府がその流れを
止めることはできないでしょう。

なぜなら、そうでもしなければ、
留学生受け入れ40万人計画は
果たされないでしょうし、

なにより【多文化共生】を謳って
いる以上、

国籍で処遇を変えることなど
できないからです。

かくして、将来、中国系日本語学校
の乱立が予想されるわけですが、

その先には、もっと深刻な事態が
起こるのではないかと危惧して
います。

続きは、次回に。


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