文科省の投資呼びかけの末路(その1)

前回、

日本語学校への「投資」働きかけ…環境や給与
改善へ文科省がモデル事業、企業の外国人材確
保をアシスト:読売新聞
https://00m.in/bsaVK

が、日本語教師の待遇改善には
繋がらないというお話をしました。

今日はその続き。

では、今回の施策が何を招くのか
についてお話します。

これはあくまでも私の推測でしか
ありませんが、

可能性として高いのは、

【中国企業の日本語学校買収】

です。

文科省が投資呼びかけでどのような
優遇措置をとるのかわかりませんが、

おそらくこれを利用して中国企業が
投資という形で入りつつ、

実質的に国内の日本語学校を買収
していくのではないかと思います。

中国は国内の大学受験競争が熾烈
を極めており、

それを避けて日本に留学を希望する
若者がかなりいます。

需要はあるわけです。

なので、現在文科省が進めている
認定日本語教育機関として認められた
学校を買収し、

そこに中国で集めた留学希望の若者
をどんどん送り込んでいく。

「学校の経営者が日本人だろうが
 中国人だろうが関係ない。

 私たちはただ日本語の授業をすれば
 いいだけなんじゃないの?」

そう思われるかもしれません。

ですが、中国企業に買収されると
学校の雰囲気はかなり変わると
思います。

授業は、かなりゴリゴリの試験対策
が中心。

具体的にはJLPT-N2、N1対策。
そして日本留学試験対策。

ひたすら暗記。ひたすら問題集。
ひたすら模擬テスト。

かつての日本の大学受験競争の
ような状況になるでしょう。

なぜなら、学生を大学に進学させる
ことが至上命題だからです。

「いやいや、それでは今文科省が
 進めている『参照枠』に合わない
 でしょう。

 認定の更新ができないのでは?」

そう思われるかもしれません。

ですが、正直そのようなものは
書類の書き方で何とでもなります。

コースシラバスをすべて「〜できる」
に書き換えれば済むだけの話。

そもそもJLPTは、

「Japanese-Language Proficiency Test」

つまり熟達度テストなわけで、

「本学は『参照枠』に沿った教育を行い、
 その成果測定として熟達度テストである
 JLPTを利用し、

 毎年、N2に○○人、N1に●●人合格者
 を出している。」

と謳えば、筋も通るし、集客もできる
わけです。

そもそもですが、日本の専門学校や大学、
大学院は、『参照枠』などあまり信用して
いません。(というか、知らない。)

なぜなら、あくまでも日本語学校の自己
申告だからです。

日本語学校も自校の学生を進学させたい
なら、

どんなにできない学生でも目をつぶって
推薦書に「B2」と書くはずです。

なぜなら、中級レベルの授業を受けて
定期テストで合格点を取っているだろう
からです。

当然、進学先からクレームが来るで
しょうし、

『参照枠』への信用度も下がります。

一方、JLPTは外部機関による認定試験。

進学するにしろ、就職するにしろ、
信用度が違います。

また、在留資格の取得、変更、更新
にも圧倒的に有利です。

学習者の将来のことを考えれば、
JLPT対策を柱にする方がよほど
いいのです。

このようなわけで、おそらく来日して
入学した直後から、

ゴリゴリの試験対策授業が展開される
のではと思います。

しかしながら、話はこれで終わり
ではありません。

この先、5年から10年ぐらいのスパンで
日本人日本語教師は、中国人日本語教師
にとって代わるのではないかと思います。

続きは、次回に。


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