文科省の投資呼びかけで、教師の待遇は上がるか。

先日、以下のようなニュースが飛び込んで
来ました。

日本語学校への「投資」働きかけ…環境や給与
改善へ文科省がモデル事業、企業の外国人材確
保をアシスト:読売新聞
https://00m.in/bsaVK

この記事によると、

「外国人が日本語を学ぶ「認定日本語教育機関」
 の教員の給与や教育環境を改善するため、
 民間企業や自治体、大学などからの教育投資
 を促す仕組みの構築」

とあります。

はたして本事業が教員の待遇改善につながるか
ですが、

私の考えから結論を言うと、

【つながらない】

です。

まず、文科省がこのような施策を打ってきた
のは、

本来文科省自体がしなければならない教員の
待遇改善策を、

お金がないので何とかかわしたいという思惑
があると、私は推測しています。

それから、実際に投資をする機関があるか
ですが、

民間企業が、大学進学前の予備校に投資する
メリットなどない。

優秀な人材が欲しいなら、大学に在籍する
優秀な留学生に入社を前提に奨学金を出す
ほうがよほどコスパがいい。

また、自治体にはそもそもそんなお金がある
わけがない。

大学も留学生が欲しければ、日本語学校に
指定校枠を打つなり、

優秀な留学生は授業料減免措置を出して
引っ張ってくればいい。

いずれにしても、優秀な留学生が入ってくる
かどうかかわからないのに、

ざっくり日本語学校に投資するなどという
ことは、

通常の経営者、運営者であれば考えないこと
です。

また、かりに投資する団体が出てきたとして
それが教員の待遇改善につながるかというと
それも違います。

投資は寄付ではありません。

そもそも、なぜ団体が投資をするのかというと
突っ込んだお金以上のリターンを期待するから
です。

例えば、1千万円投資すれば、数年後数億に
なって帰ってくる。

そういう見通しが立った時、初めて投資する
のです。

そして、投資して将来のリターンを期待する
以上、当然学校経営にも口出ししてきます。

「まず利益を出せ!」
「経費を極限まで削減しろ!」

必ず言ってきます。

そして、事業で最も重い経費が人件費なので、

「人件費を削れ!」

と必ず言ってきます。

投資家は、そのあたりはかなりシビアです。

身銭を切っているからです。

このように言うと、

「いやいや、日本語学校の中には経営状態も
 健全で、ちゃんと利益を出しているところ
 もある。

 投資家の期待にもしっかり応えられるとこ
 ろもあるはずだ。」

という方がいますが、

もしそうなら、わざわざ投資を受けなくても
とっくに学校の体力で教員の待遇改善はでき
ているはずです。

教員の待遇が改善されないということは、
日本語学校自体も経営的にさほどゆとりが
ないということです。

そもそもですが、日本語学校に限らず
教育業は、それほど儲かるビジネスモデル
ではないのです。

だから、世の一条校は文科省から補助金を
受けながら運営しているのです。

文科省は、今の補助金負担に加えて日本語
学校への補助金負担が増えるのは、どうし
ても避けたい。

だから、今回このような施策を打ってきた
のではないかと、私は考えています。


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