「リラックスさせる」の使役の意味は?
さて、前回の宿題。
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疲れた時、寂しい時、ストレスがたまった
時に、音楽を聞いて、気持ちをリラックスさ
せるという人が多い。
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の「リラックスさせる」の使役の意味、
考えていただけましたでしょうか。
「宿題は、ちゃんとやりなさい。」
は、私たち自身が常日頃、学生たちに
言っていること。
自分ができなければ、説得力があり
ません。
ヒント。
「リラックスの状態を誘い起こすこと。」
そうです。
「誘発」です。
わかりましたでしょうか。
使役には、強制、許可、そして今回の
誘発以外にも、いろいろあります。
グループ・ジャマシイ(1998)
『教師と学習者のための日本語文型辞典』
くろしお出版
では、使役の意味・機能として以下の
8項目を挙げています。
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・犯人は銀行員に現金を用意させた。(強制)
・社長は秘書にタイプを打たせた。(指示)
・疲れているようだったので、そのまま
眠らせておいた。(放任)
・社長は給料を前借りさせてくれた。(許可)
・風呂の水をあふれさせるな。(放置)
・子供にミルクを飲ませる時間です。(介護)
・子どもを事故で死なせてしまった。(自責)
・フロンガスが地球を温暖化させている。
(原因)
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ところが、強制や許可は初級後半で学ぶ
ものの、
その他の用法は、テキストに出てくるにも
関わらず、文法項目として取り上げている
教材は、ほとんどないのです。
ですが、それだと学習はわからない。
なので、教師がしっかりチェックして、
授業で扱ってあげる必要があるんですね。
ちょっとしたことですが、とっても大事な
ことなのです。