学習者の真の姿は、教室外にあり。

私が駆け出しだった

静岡の日本語学校に勤務
していたころ。

日本語の授業だけでなく、
学習者の生活指導についても
いろいろと仕事をしていました。

当時常時携帯が義務付けられた
外国人登録証を持っておらず、

バイト帰りの夜中に、自転車
無灯火で走っていたところを

通りかかった警察の職務質問を
受け、そのまま警察署へ。

そんな学習者を引き取りに、
夜中に警察署に行ったことも
ありました。

「外国人登録証(今なら在留カード)
 常時携帯の指導をもっと徹底
 しておけばよかった。」

また、普段まじめな学習者なのに
授業中どこかうつろな表情。

よくよく聞いてみると、

「どうしてか、日本に来てから
 つまらないミスを多くするように
 なった。

 私は日本に来てバカになった。

 どうしたらいいのかわからない。」

典型的な外国語副作用です。

外国語副作用というのは、日本語や
日本の生活ルールの処理や対応に
脳内メモリーが持っていかれるため、

母国では絶対しなかったような単純な
ケアレスミスを犯してしまうこと。

例えば、財布をコンビニに置き忘れ
てしまうとか、

アルバイトのシフトをすっかり忘れて
しまうとか。

そうした1つ1つは些細なトラブル
が積み重なると、

「どうして自分だけこうなんだろう。

 日本に来たのは本当に正解だった
 のか。」

と悩むことになり、最悪ノイローゼ
になったりするのです。

こうしたことを未然に防ぐには
来日直後の段階で適応曲線を
紹介し、

「これからの日本の生活では
 精神的に上がったら下がったりする
 けど、

 それはあなただけではないよ。」

とアナウンスすることが重要なのです。

間違っても、

「最近、あの学習者、授業中うつろ
 だな。

 授業に身が入っとらん。

 一度しっかり叱らねば。」

などと言って、本人を呼び出して
叱りつけるなどしては、絶対に
いけないのです。

日本語教師の中にも、

「私は日本語教師だから、
 日本語の授業だけ考えれば
 それでいい。」

という考えの方がいるようですが、

それでは、学習者の真の姿を
理解することにはならないばかりか、

彼らを誤って理解してしまうこと
にもなりかねないのです。

学習者に安心して日本で生活し、

その延長線として、安心して
日本語の授業を受けてもらうためには、

彼らに対する生活上の指導を
しっかりする必要があるのです。

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では、そうした日本語教師にとっての
盲点に光を当て、

来日直後の学習者に対する日本事情
指導の方法をご提供いたします。

よろしかったら(^_^)

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