フランス語の日本語への干渉(その1)。
篠研の篠崎大司セミナー
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指導の引き出しが増える!みるみる発音が
よくなる!発音指導の基本」
(2024年3月24日・31日開催)
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では、実際に我が別府大学に在籍する
フランス人留学生に参加してもらい、
受講者の方に発音指導をしていただき
ます。
(なので、ぜひお申込くださいね(^_^))
で、先日その留学生と事前朗読動画の
収録を行いました。
つまり、指導前のビフォー動画の収録
ですね。
実際彼の日本語の発音を聞いてみると、
「さすが中上級、滑らかな発音!」
と思いつつ、細かいところで
「なんかちょっと違う。」
という音がいくつか聞かれました。
とはいえ、自分の中でうまく言語化
できないので、
「じゃあ、ちょっと論文を調べて
みよう。」
と思い、見つけたのがこの論文です。
会津洋(1970)「フランス語の日本語への干渉」
早稲田大学日本語教育研究センター紀要
『講座日本語教育』pp.101-109
https://waseda.repo.nii.ac.jp/records/26337
随分古いですね(苦笑)
以下、気になる部分をリストアップ。
まずは「まえおき」
・始めはやさしい、つまりすぐ発音でき日本人に
通ずると思っていたけれどかなり学習が進むと
やはりいくつかの難しい発音がある、また特に
イントネーション・アクセントがどうも日本人
と違ってしまう、やはり最初より正しい発音、
イントネーション、アクセントの訓練が必要だ、
と認めていた。
次に、「フランス語音の特性」
・母音の調音点が前より。
・円唇母音が多い。
そして、「フランス語にない日本語の特性」
・「ら」行音
あるフランス人は[l]と[d]の中間音という
つもりで修得したといった 。
・「は」行音
フランス人は「はな」を「アナ」と発音した
りするとはよく聞くはなしだが日本語に熱心
なフランス人はつぎの理由で訓練しだいで
そう困難なく獲得できる音だという。すなわ
ち:
a〉[h]はフランス語音として標準では現われ
ないが文字hは表記されているから字をみ
るたび音[h]は意識されている。
b〉英・独語を学ぶときは必要であるので学
んでしまっている。
実際には語頭より語中において母音に挿ま
れているとき、より困難なようである。
(例)asahi、sohyo、taiho、etc
・高さアクセントの異なる同音異義語
[例】 雨/飴;錐/霧;箸/橋;親切/新雪etc
この種の区別は特に2音節語どうしが難し
いようで、あるフランス人たちは(中略)
アクセント符号をつけて欲しいと望んで
いた 。
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なるほど。
かなりイメージできました(^_^)
長くなりそうなので、今日はここまで。