文法知識は豊富でも発音で損している学習者。
私が日本語教師としてデビューしたのは、
大学院生だった30年近く前。
広島県下の日本語学校での非常勤講師
がスタートでした。
で、そこで最初に教えた学習者が
韓国サムソン電子の幹部社員。
韓国サムソン電子の幹部社員と言えば、
韓国では超エリート。
相当優秀な方ばかりです。
もちろん、皆さん、私より年上の方
ばかり。
とても優しい方ばかりで、
「昼間は先生が先生ですが、
夜は私たちが先生です。」
と言って、授業のあと宿舎に招かれ、
しこたまお酒を飲まされました(笑)
今となっては、とてもいい思い出です。
さて、そんな超優秀な学習者。
韓国人だけにどうしても発音に
癖がありました。
どうしても「ツ」を「チュ」と
発音してしまうのです。
「実は」を「ジチュハ」と発音して
しまったり、
「靴下」を「クチュシタ」と発音
してしまうんですね。
私たち日本語教師であれば、
「なるほど、韓国語母語話者特有の
言語転移だな。」
と思えるわけですが、
一般の日本人はそんなことはわかり
ませんから、きっと、
「なんだ?この韓国人。
男のくせにいい年して子ども
みたいな言い方して。」
となるのではないかと思います。
彼等は、日本語研修後、日本人を
相手にビジネスをするはずです。
「これは、想像以上に大きなハンデ
だな。」
その時私は直感的に思いました。
どうかすると、そんじょそこらの
日本人よりよほど日本語の文法や
語彙の知識が豊富であるにも関わらず、
発音にたった1つ癖があるだけで、
(言葉を選ばずに言えば)
ビジネスの交渉相手に舐められて
しまう。
本当にもったいないことですし、
こういう時こそ、日本語教師の
出番のはずです。
ただ、当時の私はまだ駆け出しも
駆け出しで、
上手く指導しきることができません
でした。
私としては、苦い思い出です。
「今なら、あの時よりはましに指導
することができるのに。」
貴方様のまわりにも、そんな学習者
はいませんか。
当時の韓国人のような学習者が
きっと日本中にたくさんいるのでは
ないかと思います。
そして、日本人の友人やアルバイト
先の店長から、
「変な日本語。」
のような心無い評価を受けて、
傷ついているのかもしれません。
そこで、私は今回下記のような
セミナーを開催することにしました。
篠研の篠崎大司セミナー
「ミニ実習授業あり!
指導の引き出しが増える!みるみる発音が
よくなる!発音指導の基本」
(2024年3月24日・31日開催)
https://www.kanjifumi.jp/hatsuonsido_seminar/
もし、身近にかつて私が指導した韓国人
のように発音に癖のある学習者がいて、
かつての駆け出しだった私のように指導方法に
悩まれているのであれば、
何がしかのお手伝いができるのでは
ないかと思います。