自分を捨てる−俳優 岩下志麻
NHK 12月13日放送
「最後の講義−岩下志麻」
https://00m.in/DIJMJ
昨日、偶然テレビをつけたら
やっていて、
思わず見入ってしまいました。
以下、上記サイトより。
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人生最後なら何を語り残すか?
岩下志麻さん。
演じ続け60年超。日本アカデミー賞等
受賞多数。
清純派から“極妻”まで圧倒的存在感。
個性は結果?自分を白紙に?驚きの秘密
60年以上活躍を続ける岩下さんが人生で
初の「講義」。
若き俳優や志望の40人に。
10代は医師を目指し猛勉強、最初はアル
バイト感覚?
清純派で期待され小津安二郎監督最後の
「秋刀魚の味」に。
その秘話は?
篠田正浩監督との出会い、結婚が大転機に。
どんな役も魂が乗りうつったかのよう…
台本読み100回では不足?
毎回自分を白紙に?
終ると虚脱感…個性は結果?
“極妻”の秘密、私生活での思いも。
喜びも苦しみも…全てを語る
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講義の最後に参加者からの質疑応答。
その中で、一人の男性が役者としての
個性について悩みを相談しました。
それに対して岩下志麻さんは一言。
「個性は結果的についてくるものじゃ
ないでしょうかね。
極妻なんか、私なんかまさかと思い
ましたけど、
それが個性に繋がっているような
気もしますので、
個性というのは、結果論のような
気がします。」
今の世の中、「個性」とか「自分らしさ」
という言葉がもてはやされています。
この言葉はとても心地いい響きで、
仕事も私生活も自分の思い通りに
できれば、
こんな楽しいことはないわけですが、
そんな自分に固執している限り、
大した仕事はできないのではないか
と、私は思います。
それは、サービスを受ける側に立てば
分かることで、
例えば、ラーメンを食べたいと思った
時に、
▼店主が作りたいラーメンを作って
いるラーメン屋
と
▼自分が食べたいラーメンを作って
いるラーメン屋
と、どっちに行きますかという話。
普通なら、後者ですよね。
そこに時間とお金を投下するわけです
から。
これは、日本語教師にも言えることで、
「あの学習者はねぇ……。」
とか、
「あの学習者は、授業中よく寝る
んですよね……。」
と学習者批判をする教師をたまに
見ますが、
そもそもその前に、
▼学習者の置かれている状況や真の
ニーズを死ぬほど考えたか
▼授業のリハーサルを(岩下さん
のように)100回やったか
▼1回1回の授業に我を捨てて
没頭没入しているか
を自問自答する必要があるでしょう。
もちろん、かくいう私もまったく
そこまでやり切れていません。
だから、もっと頑張ろうと思うし、
学習者に対して真摯に謙虚にな
ろうと思っています。
(例えば、学習者とのLINEでの
やり取りでは必ず敬語を使って
います。)
そうやって、我を捨てて相手に
尽くしきって初めて、
周囲から相応の評価をいただける
のであり、
その評価を自分なりに振り返って
始めて、
「これが、自分の個性というもの
なのかなぁ。」
そう思うものだと思います。