正解を超える授業。
先日、
篠研の仲山淳子セミナー
「著者直伝!模範授業見学あり!
『日本語文法ブラッシュアップトレーニング』
を使った授業の進め方」(6月11日・18日)
の1日目を実施し、そこで、仲山先生の
模範授業を2つも拝見させていただいた
わけですが、
学ぶところ大で、本当に勉強になりました。
どこが素晴らしかったのかというと、
これはセミナー中にもお伝えしたこと
なのですが、
第一に、
「学習者の自己修正能力を高める授業
だったこと。」
仲山先生が授業を進めるうちに学習者は、
自分の誤用を自ら修正するようになった
んですね。
日本語の授業は、所詮1回で50分とか
90分。
学習者にとっては、教室から出た時間
の方がはるかに多いわけです。
そこで、いかに自分で正しい日本語を
アウトプットできるか。
そのためにも、自己修正能力を高める
というのは、非常に重要なのです。
そして、第二に、
「授業中の学習者との会話が
常にリアルであること。」
文法の授業というと、得てして
教 師:答えは何番ですか。
学習者:3番です。
教 師:いいですね。
といった、感情が1mmも動かない
IRE/IRFが展開されることが多い
ですが、
仲山先生は、常に学習項目を使って
学習者に自分のことを自然に言わせる
よう促しているため、
学習者は、どんどんしゃべり、
実にリアルな会話が展開される
のです。
もう、そのまま教室の外でも習った
文法が使えるよね。
そんな感じです。
正直、あのコミュニケーション術を
見なかった方は、大損。
そして、セミナーでお伝えしなかった
ことですが、あの後改めて
「考えてみると、これもすごい。」
と感じたこと。
それは、
「正解を越える授業を展開している。」
ということ。
通常、文法の授業といえば、得てして
タスクの正解に到達することが授業の
ゴールになっている、
のではないかと思います。
もちろん、そういう側面も大事といえば
大事なのですが、
一方で、学習者の実力や創造性が発揮
できないこともある。
というか、そもそも面白くない。
仲山先生は、学習者が自身の実力や
創造性が発揮できるほどの
「ほどよい遊び」
を含んだ授業を展開なさり、
学習者がタスクの正解を超える回答を
した時は、
「すごい!そっちの答えの方がいいですね!」
と思いっきり褒めるんですね。
そういう褒めポイントを授業の中に
いくつも仕掛けている。
結果的に、模範解答よりいい答えが
頻発して、質の高い授業が実現でき、
かつ、学習者の自己効力感も一気に
上がり、モティベーションも高まる。
これは、できるようでなかなかできない
指導スキルです。
来週は、仲山先生セミナーの2日目。
とても楽しみです(^_^)