「期待」という言葉の本当の意味。
私たち日本語教師は、何かにつけ
学習者に「期待」します。
かくいう私も、担当の留学生には
期待しますし、留学生に
「期待してるよ。」
「君ならできる。」
と、努めて話しかけるようにしています。
そうすると、不思議なことに学習者の成績が
上がっていくのです。
このように、教師の期待によって学習者の
成績が上がることをピグマリオン効果と
言います。
なので、教師は学習者の可能性を信じ、
しっかり期待し、
そして、それを学習者にも伝えていく
ということが大事なんですね。
ところが、このピグマリオン効果も、
時にマイナスに働くことがあります。
それは、学習者が教師の期待をプレッ
シャーに感じたときです。
教師の期待をプレッシャーに感じて
しまうと、学習者は逆に委縮しやる気
を失ってしまいます。
では、教師はどうしたらいいのか。
ここで、そもそも「期待する」とはどう
いう意味か、あらためて考える必要があり
ます。
辞書によると、
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き‐たい【期待】 の解説
[名](スル)あることが実現するだろうと
望みをかけて待ち受けること。当てにして
心待ちにすること。
「―に添うよう努力する」「活躍を―して
いる」「―薄」
-goo辞書
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とあります。
つまり、「期待」とは文字通り
【期を待つ】
ということであって、
決して相手を急かしたり、成果を急いだり
してはいけない、ということなんですね。
(と言いつつ、我ながら耳が痛い(>_<))
教師が学習者に、その能力を超えて短兵急な
成果を求めてしまえば、
学習者はかえって負担に感じ、学習効果も
著しく低下してしまうのです。
では、どうすればいいのか。
当たり前ですが、教師はただ待つだけで
はなく、
また、既存のカリキュラムをただこなす
だけではなく、
学習者の現状と到達目標(ゴール)を正確
に把握し、
そのギャップを埋める具体的な指導プラン
を、明確に言語化できるレベルで持ってい
ること。
そして、そのプランを確実に実行しつつ、
学習者に対しても、現在地と目標に至るまで
のプロセスを、折に触れ分かりやすく説明
すること。
そうやって、常に目標までのプロセスを
学習者の頭の中に明確に描かせながら
最適な指導をし続けることが大切なのです。
私が好きな言葉の1つに、
「早く咲く花もあれば、遅く咲く花もある。
大事なことは、咲くまで水を与え続ける
こと。」
というのがありますが、
たとえ咲くのが遅くても、早く咲かせたい
という気持ちをぐっとこらえて、
ひたすら最適量の水を与え続けることが、
教師にとっては大事なことなのです。
このひたむきな姿勢こそが【期待】の本当の
意味であると、私は考えます。
そう考えれば、学習者が成果を出すか否か
は最適量の水の与え方、塩梅、
すなわち、教師の指導技術、教師力に依る
ということになります。
これを試行錯誤をしながら1から作り上げて
いくのも1つのやり方ですが、
すでに、そうしたノウハウを持っている
講師から直接教えを乞う方が、はるかに
効率的ですし、何より確か。
私が先般よりご案内している
篠研企画 小山暁子オンラインセミナー
【フリーランサーへの道】
働き方の選択肢を増やそう!
-ビジネスパーソンへの日本語レッスンを中心にー
(2月18日開催)
https://www.kanjifumi.jp/koyama_seminar/
は、まさにそうした教師の本質をお伝えする
内容となっています。
小山先生は、これまでビジネスパーソンに
対する日本語教育を行ってこられましたが、
その内容は、あらゆる学習者に適用できる
汎用性の高いものです。
私自身、これまで何度も小山先生のセミナー
を受けましたが、
学習者の日本語レベルやニーズはもちろん
のこと、
性格、趣味、家族構成、飼っているペット
の名前に至るまで、
微に入り細に入り、あらゆる学習者情報を
考慮に入れた上での日本語指導は、
「そこまで学習者に寄り添うか。」
と驚きの連続です。
まさに、「最適量の水」を与える達人
といえます。
しかし、その一方で、決して学習者に
過度なプレッシャーを与えることなく、
じっくり期を待ちながら、温かく見守る
姿勢。
これは、書籍やメルマガでは伝えようが
なく、
やはり実際にセミナーに参加して、小山
先生の雰囲気を直に感じていただくしか
ありません。
「私は本当に学習者に正しく期待し、
確実に花が咲く正しい水を持ち合わせて
いるだろうか。」
そう感じられるのであれば、
年に1回しかない本セミナーに参加なさる
意義は大きいと思います。
よろしかったら。