2誌合同。「日本語教育有識者会議」を読む(11)

引き続き、

「日本語教育の質の維持向上の仕組みに
 ついて(報告)(素案) 」
 https://bit.ly/3hxTout

を2誌合同で解説していきます。

2誌連番で解説いたしますので、片方しか
登録していない方は、両メルマガをご登録
なさるか、

下記サイトをご参照ください。

篠研の日本語教育能力検定試験対策
https://www.kanjifumi.jp/kentei/
(メルマガのバックナンバーが読めます)

また、かなり膨大な資料ですので、かいつま
んだ解説となることを予めお伝えしておきま
す。

詳しくは、上記資料をご参照ください。

第11回は、

「4.「就労」「生活」類型への対応」

です。

そのうち、今回は

「生活者を対象とした日本語教育課程を
 置く機関に関する評価の在り方」

を扱います。

全体の印象としては、前回第10回の
「就労」に比べて、中身が見えている
感じがします。

以下。

--------------------

(生活者を対象とした日本語教育課程を
 置く機関に関する評価の在り方)

○ 令和3年協力者会議報告では都道府県・
 政令市及び地域の日本語教育を行う機関が
 申請主体として想定されていた「生活」類
 型の日本語教育課程を置く機関は、

 地方公共団体、国際交流団体や法務省告示
 校を含む多様な主体が担っている現状を踏
 まえ、

 1.地方公共団体が自ら設置する機関、
 2.地方公共団体が国際交流団体と連携し
   て実施する機関、
 3.地方公共団体が他の日本語教育機関と
   連携して実施する機関

などについて、一定の要件を備えた機関を認
定の対象とすることについて検討を行う。

〇 また、生活者向けの日本語教育の目的を
 踏まえた認定基準等の評価の在り方につい
 て、

 組織の概要や理念・使命、運営状況、遵法
 状況、教育上の基本組織など他の類型と共
 通する項目とともに、次のような検討を行
 う。

 ・認定機関の対象として、地方公共団体と
  の他の日本語教育機関との連携による教
  育課程の編成等について相当の実績を有
  し、地域の実情に応じて、都道府県又は
  政令市、市区町村との連携体制を確保し
  ている機関など

 ・都道府県・政令指定都市については、教
  育課程の目的等が都道府県又は政令市が
  策定した推進法第 11 条に定める基本的
  な方針等の基本方針と整合的であること

 ・教育課程、「日本語教育の参照枠」と関
  連付けた習得レベルB1以上に応じた生
  活者向けの教育課程の授業内容・方法、
  授業時数など

 ・教員資格、目的や教育課程等を踏まえた
  教員配置、例えば、教員要件について、
  生活者のための日本語教師経歴(経験や
  指導時間数)

 ・生活者の学習ニーズを踏まえた教育プロ
  グラムを設定できるコーディネーターや、
  登録日本語教員の設置、生活者としての
  外国人の支援を行う機関との連携体制等

 ・組織の質の維持向上に関する取組の評価、
  自己点検評価、第三者評価、情報公開な
  ど

 ・留学生を対象とした教育課程を置く機関
  が生活者を対象とする課程を置く場合や、
  収容定員等、施設・設備等の評価につい
  ては、上記の要件とともに、生活者向け
  の学習環境を念頭に、それらの在り方に
  ついて引き続き検討する。

〇 なお、「生活」類型の検討に当たっては、
 推進法に定められた地方公共団体の責務と
 して行われる日本語教育に加え、

 地域のボランティア等が運営する日本語教
 室によって多様な学習機会が提供されるこ
 とは重要であり、

 制度化が地域の各日本語教室の自主性・主
 体性に基づく活動を縛ることがないよう留
 意することが必要である。

--------------------

ここで注目したいのは、機関のタイプです。

 1.地方公共団体が自ら設置する機関、
 2.地方公共団体が国際交流団体と連携し
   て実施する機関、
 3.地方公共団体が他の日本語教育機関と
   連携して実施する機関

おそらく、日本語学校が多い都市圏では、
人件費等の負担を考慮して、3を選ぶ自治体
が多いのではないかと思います。

問題は、地域内に提携できるような日本語学
校がない地域。

この場合、もともと自治体主導で日本語教室
を開いているようなところは、1や2にス
ムーズに移行できるかと思いますが、

在住外国人数もさして多くなく、そのような
サービスをしていない自治体は、そもそも
このような行政サービスに予算を割く余裕が
ないかもしれません。

ただ、在住外国人数が少なくても、現場の状
況に合わせて、まずは超小規模からでも始め
るべきだと私は思います。

いや、むしろ最初はできるだけ小規模で始め、
キーパーソンの育成、指導ノウハウの蓄積、
指導体制の構築に重点を置いた方がいいで
しょう。

最初から大きく出ると、間違いなく頓挫しま
す。

また、私のイメージではこの類型にもっと
当てはまる学習者は外国人妻かと思います。

日本語がまったく話せなかった外国人妻が
日本語教育を受けることで日本語が話せる
ようになれば、

地域で労働者として活躍し、納税者に成長
することも期待できるでしょう。

まずは、そこまで国も地方自治体もしっか
り先行投資をすることが重要だと思います。


日本語教師をめざす方、現職日本語教師の方のための無料メルマガ
無料メルマガ「篠研の“日々成長する教師”」

授業の小ネタや授業実践のコツ、教師としての考え方、息の長い日本語教師になるための知恵などを週2日(火・木)でお届けします。

さらに、今ご登録なさると特典が無料でダウンロードできます。
特典 「精読指導の秘奥義」(全24ページ)

解除はもちろんのこと、メールアドレス変更など個人データの編集も簡単ですので、ご安心ください。プライバシーポリシーをご確認の上、ご登録を希望されるメールアドレスを入力し、ご希望の項目ボタンを押してください。

  メールアドレス【必須】
  お名前(姓)【必須】
  お名前(名)【必須】
  よみがな【必須】
  都道府県【必須】 なお、海外在住の方は「海外」をお選びいただき、下記項目に例のようにご記入ください。
  海外にお住まいの方は「ベトナム(ホーチミン)」のようにお書きください。