なぜ「教育実践部」ではテキストを買わせるのか。
「篠研サロン-教育実践部」の定例会では、
毎回1冊テキストを決めて、
教材分析をしたり、模擬授業をしたりして
います。
今のところ、模擬授業は私篠崎がすること
が多いのですが、
時々参加者同士ですることもあります。
これにより、教師の授業力・指導力の向上を
目指しているわけです。
従って、そのテキストをお持ちでない方は、
定例会までにテキストを購入しなければなり
ません。
これについて、前回の定例会で
「定例会1回のためにテキストを買わないと
いけないなんて!」
とおっしゃった方いたので、これから数回
にわたって丁寧に説明しますね。
このようなプログラムを実施する目的は
先ほども述べたように、
「教師の授業力・指導力の向上」
です。
そもそも日本語教師は、
「知識を売ってなんぼの商売」
日本語や指導技術に関する知識がなければ
話になりません。
知識がない、あっても少ない状況では
学習者からは支持されませんし、
例えば、オンラインレッスンをしても、
学習者がつかず、時給も低迷のままです。
なにより、やっていて楽しくありません。
だから、日本語教師は常に知識のインプット
に努めなければならないわけです。
振り返ってみれば、
私が駆け出しの日本語学校時代。
毎月、日本語教育関係の書籍を5,000円から
1万円分は購入していました。
あの時の基本給が19万円でしたから、
手取りは18万円前後だったと思います。
もちろん、買った教材の大半は、授業で
使っていないもの。
当時としては、なかなかの出費でしたが、
自分の知識や指導力のための必要経費と
思って、どんどん買って、どんどん読んで、
そこで得た知識をどんどん授業で試して
いました。
おかげで学生からは、そこそこ支持され
る授業ができていましたし、
今の自分の礎は、あのころの膨大な
インプットと授業経験のおかげだと確信
しています。
書籍から知識を仕入れるというのは、
日本語教師にとって絶対条件なのだと
強く感じます。
そして、これの極みが大学教員です。
大学教員は、日本語教育の専門書だけで
数千冊、数万冊を普通に持っています。
よくテレビでごみ屋敷が紹介されて
いますが、
大学教員の研究室というのは、あの
ゴミがすべて専門書に置き換わった
イメージです。
下手すると、足の踏み場もありません。
このように言うと、
「大学教員と比べられても。。
そこまでやる気はないし。。」
と思われるかもしれません。
ですが、一般の日本語教師でも、
それなりの志のある教師であれば、
毎月5,000円から数万円は当たり前に
書籍代に使っています。
これは、特別なことでもなんでもなく
多くの教師が普通にやっていること
なんですね。
そして、それは結局授業力の差となって
現れます。
そして、それを一番敏感に感じて
いるのが目の前にいる学習者です。
彼らの多くは、常に複数の教師から
指導を受けています。
教育機関であれば、教師が入れ替わり
立ち替わり授業にやってくるわけ
ですし、
オンラインレッスンであれば、
つまみ食い的にいろいろな教師の
レッスンを受けることができる。
つまりどういうことかというと、
(ここからがとても重要な内容)
【学習者は、常に教師の指導力を
比較してどの教師にするか選んで
いる。】
ということなのです。
最も顕著なのは、プラットフォーム
登録制のオンラインレッスンです。
もし、
「なかなか学習者がつかない。」
「そのためレッスン単価があげられない。」
とすれば、学習者に比較されて
結果、落とされている可能性が極めて
大です。
もしそうなら、
「授業のための自己投資をしっかり
しているか。」
自問自答してみてください。
もし、自己投資が不十分なら、学習者から
「この先生、ケチってんな。」
と思われている可能性が高いです。
そういうのも、授業を見れば
全部筒抜けなんですね。
長くなりそうなので、続きは次回に。