日本語能力試験N1漢字読み問題出題パターン。
日本語能力試験の問題は、出題
形式が高度にパターン化されて
います。
なぜなら、いつ実施した試験であるか
に関係なく、
一定の評価基準に沿って、信頼性の
高い結果を出さなければならない
からです。
出題形式が、毎回まちまちだったら、
例えば、1回目の試験と2回めの試験
の結果を比較するのがほぼ不可能なん
ですね。
であれば、そのパターンをあらかじめ
把握し、
それぞれのパターンに応じて対策を
打っておけば、合格する確率が高まる
はず。
誤解なきように言いますが、これは
何もズルをするということではあり
ません。
日本語能力試験が求めている日本語力
に沿った勉強をしようということなの
です。
では、そのパターンとはどのような
ものか。
例えば、文字・表記の問題の
「問題1 漢字の読み」
の問題の出題パターンは概ね以下の
10通りです。
なお、「音」は音読み、「訓」は
訓読みを表します。
1.音声由来のもの(音・訓)
2.複数の読みの選択「(音・訓)
3.1と2の複合(音)
4.イ形容詞の読み方(訓)
5.ナ形容詞の読み方(音・訓)
6.副詞の読み方(音・訓)
7.熟語名詞の読み方(音・訓)
8.動詞の読み方(訓)
9.スル動詞の読み方(音)
10.同品詞の他の語との混同
よく見ると、4~9までは品詞別の
読み方ですので、
純粋の出題パターンは、1、2、3、
10となります。
従って、これらのパターンに沿った
指導をすればいいわけです。
しかも、先の1、2、3、10の
パターンをより細かく見ていくと、
それらのより具体的な攻略法が見えて
きます。
例えば、
1.音声由来のもの(音・訓)
であれば、特殊拍、清音・濁音・半濁音、
拗音を問うもの(例:「回顧」を「かい
こう」と読ませる)がほとんどです。
であれば、普段の授業からこうした音声
を含んだ語彙は、しっかり読み方を指導
しておくことが有効なわけですね。
また、例えば、
2.複数の読みの選択「(音・訓)
は、例えば、「嫌悪感」を「けんあく
かん」と読ませるような問題。
このような場合は、それぞれの読みを
含んだ語彙を導入することで、
それぞれの読みとそれに紐づいた語彙
を結び付け、
語彙力を高めるよう指導することが
効果的なわけです。
いかがでしょうか。
ただやみくもに読み方を覚えさせ
てもダメで、
ポイントを押さえた漢字の読み指導が
効果的なのです。
もちろん、学習者にもあらかじめこれら
のポイントを提示し、
「こういうところでよく間違うから
こういうところを特に重点的に
しっかり覚えよう。」
と指導すれば、学習者も前向きに
勉強するでしょう。
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