仕事がない人と仕事が途切れない人の差。

「コロナ禍で留学生が来日できず、
　日本語学校のコマ数も激減し、
　仕事がほとんどない。」

という日本語教師の方は多いでしょう。

そういう方にとって、今の日本語教育
業界は、まさに未曽有の暗黒時代。

「もう日本語教育界は終わりだ。」

そう見えているかもしれませんね。

一方で、

「コロナ禍？ほとんど影響ない。

　企業案件の日本語レッスンは、
　ほとんど減っていないし、
　どうかしたら増えたぐらい。

　仕事が全然途切れない。」

という日本語教師の方もいるのです。

同じ業界でありながら、見えている
風景がまったく違う。

この差はいったい何なのでしょうか。

一言で言えば、

指導スキルが１つしかない人と、
複数の指導スキルを持っている人の
違いです。

コロナ前の日本語学校バブルの時に、

「日本語学校で留学生に教えて
　いれば大丈夫。安泰、安泰。」

と思って、留学生以外の学習者への
指導スキルの習得をして来なかった
人は、

「今さら留学生以外には教えられない。」

といった心理的抵抗感も相まって、

今、相当苦境に立たされているはず
です。

さらに言えば、コロナ前まで対面授業
に終始し、

「授業はテキストとチョークと絵パネル、
　文字カードがあれば何とかなる。

　パワポだのzoomだの関係ない。」

と高をくくっていた人は、

授業がオンラインになった途端に、ICT
スキルの習得を求められたか、

あるいは、戦力外通告がなされたかの
どちらかでしょう。

つまり、安泰の時に、安泰の前提が崩れ
た時のことを想定せず、

たった１つの指導スキルに頼ったまま、
さらなる指導スキルの習得を怠ると、

前提が崩れたときに、強烈なストレス
を味わうか、

最悪、一気にすべてを失うことになる
のです。

一方、現在活況のビジネスパーソン向け
のレッスンをしている人は、

もちろん以前からその分野にいた方も
いらっしゃるでしょうが、

このコロナ禍で日本語学校勤務から方向
転換をし、ビジネス日本語に飛び込んだ
方も少なくありません。

そうした方の多くは、以前から様々な
セミナーや勉強会に参加したり、

あるいは専門書を読んだりして、

指導スキルのレパートリーを増やす努力
をしてきた方です。

だから、急に違うタイプの学習者に
日本語を教えることになっても、

最初から抵抗感なく取り組むことが
できるのです。

その結果、最悪の事態を免れることが
できるのです。

さらに、ビジネスパーソンに対する日本語
教育の副産物。

それは、お客がお客を呼んでくるという
好循環が生まれることです。

例えば、ビジネスパーソン（男性）に日本語
を教え、それが評価されると、

「じゃあ、私の妻と子供にも日本語を教えて
　くれ。」

となりレッスンが増える。

さらに、その奥様から、

「私のママ友とそのお子さんも日本語で
　困ってるの。
　お願い。日本語を教えてあげて。」

となって、さらにレッスンが増える。

そしてさらに、そのママ友が別のママ友
を連れてきて…となるのです。

仕事難のこのご時世に、この好循環の
インパクトは絶大です。

これが、

「仕事がない人と仕事が途切れない人の差。」

なのです。

このように言うと、

「こうなるんなら、コロナ前の余裕がある
　時に、いろいろ勉強しておくんだった。
　自分はもう手遅れだ。」

という方がいますが、それは全く違い
ます。

学びに早いも遅いもありません。

「思い立ったが吉日」なのです。

また、勉強は余裕があるときにするの
ではありません。

余裕がない中で、いろいろやりくりを
して勉強するから本気になるのです。

逆に、そうやっていろいろ理由を
つけて行動しないというのは、

つまり、将来の「後悔」を生む種を
蒔いているようなものなのです。

まだ間に合います。

だから、今すぐ行動すべき。

今動かなければ、将来何らかの形で
必ず「後悔」します。

加えて、ビジネスパーソンに対する
日本語教育の入り口は「ビジネスマナー」。

なぜなら、新入社員であれば必ず受ける
ものだからです。

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