JLPT-N1対策語彙指導で必携の参考書・サイトとは?
日本語能力試験(JLPT)N1の語彙問題には、
・文脈規定:文脈によって意味的に規定される
語が何であるかを問う
・言い換え類義:出題される語や表現と意味的
に近い語や表現を問う
・用法:出題語が文の中でどのように使われる
のかを問う
という3種類の問題があります。
「具体的にどんな問題なの?」
という方は、公式ページでサンプル問題が
公開されていますので、ぜひ解いてみて
ください。
https://www.jlpt.jp/samples/n1/index.html
いかがでしたか。
ただし、私たち日本語教師はこれらの問題を
解くことが大事なのではなく、
これらの問題の解き方を学習者に身につけて
もらうよう指導することが大事。
そこで、今回は、N1レベルの語彙指導を
盤石なものにする参考書とサイトをご紹介
いたします。
まず、実際に問題を解いてみるとよくわかる
のですが、
N1の語彙問題では、類義語の知識を問う問題
が非常に多いです。
例えば、文脈既定の問題では、類義語の
使い分けが問われますし、
用法の問題も、よくよく分析してみると、
類義語の使い分け問題だったりします。
当然、私たち日本語教師は、類義語の使い
分けを学習者にわかりやすく指導する必要
があるわけですが、
ここで頼りになるのが類義語辞典。
で、篠崎イチオシの類義語辞典がこれ
です。
『使い方の分かる 類語例解辞典〔新装版〕』
https://amzn.to/3rA2NEC
この辞書の最もいい点は、類義語同士の
用法差を、簡単な例文を使って、○×の
表にして一覧で示している点。
とてもシンプルな例文で示しているので
N1レベルならそのまま使えるものも
多いです。
収録語数も2万5千語と豊富です。
N1指導に限らず、中級以上のクラスを
担当するなら必携の辞書といえるでしょう。
もちろん、私篠崎も愛用させていただいて
います。
次に、語彙指導の際、例文や問題文を
作ることもあろうかと思います。
その際、指導する語彙の使用頻度の高い
使われ方で例文を作って学習者に提示
したい。
例えば、「国際」という言葉を指導する
として、
「国際的」という使われ方が書きことばや
話し言葉においてももっとも使われている
形であるなら、
例文や問題文を作るときにも「国際的」
という形で文に入れ込みたい。
なぜなら、その方が学習者にとっても
より目にしやすい形だからです。
「語彙ごとに、使用頻度の高い用法を
知りたい。」
そんな時、便利なのがこのサイトです。
NINJAL LWP for TWC(NLP)
https://tsukubawebcorpus.jp/
このサイトは、
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日本語のウェブサイトから収集して
構築した約11億語のコーパス『筑波
ウェブコーパス』(Tsukuba Web Corpus:
TWC)を検索するためのツール
-上記サイトより
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「コーパス」とは、簡単に言うと、
日常の言語をデジタル化した、いわば
ビッグデータのこと。
これを使って検索することで、条件に
合った日本語の用例や数を一瞬にして
知ることができます。
上記サイトのトップ画面を見ていただく
とわかりますが、
調べたい語彙で検索すると、その語彙の
使用頻度の高い用法や、
その用法を使った用例が分かりやすく
表示されます。
ですので、これを使うと、当該語彙の
典型的な用法で例文をつくることが
できるわけです。
例文作成の必須ツールといえます。
今回は、
『使い方の分かる 類語例解辞典〔新装版〕』
https://amzn.to/3rA2NEC
と
NINJAL LWP for TWC(NLP)
https://tsukubawebcorpus.jp/
をご紹介しました。
これだけでも、かなり重宝するのですが、
下記セミナーでは、もう1つ重要な
サイトを紹介します。
充実した日本語能力試験N1語彙指導を
するためにも、ぜひご検討ください。
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篠研の日本語の教え方セミナー
「日本語能力試験N1対策指導法
-科目別指導のポイント-」(12月12日開催)
https://www.kanjifumi.jp/n1_seminar/