なぜベトナム人学習者はダ行がうまく言えないのか。
ベトナム人学習者の日本語を聞いたとき、
「ん?なんかダ行の音が日本語と違うな。」
と感じたことはありませんか。
日本語のダ行音は、発音すると音が前に
出る感じですが、
(そりゃそうです。息を前に出すので)
ベトナム人学習者のダ行音は、むしろ
音が後ろに引く感じ。
もっと言うと、ラ行ともナ行ともとれる、
日本語よりソフトなダ行。
言葉で表現するのは、なかなか難しいの
ですが、
日ごろベトナム人学習者と接している
方なら、この感覚をご理解いただける
のではないかと思います。
このように言うと、
「ベトナム語には、ダ行にあたる子音
がないのかな?」
と思われるかもしれませんが、
ベトナム語にもダ行の子音に似た音は
あります。
ですが、日本語のダ行とは微妙に違う
んですね。
これについて、
金村・松田(2020)『ベトナム人に日本語
を教えるための発音ふしぎ大百科』
https://amzn.to/3G417Hh
は、ベトナム語のダ行を以下のように
説明しています。
「ベトナム語の『 d(ストローク付き
ラテン小文字D。Unicode:U+0111)
※筆者注』は
舌を歯茎に強くつけ、舌を離す前に少
し息を吸い込むようにして、
口の中を真空のような状態にし、
それから声を出す入破音 」(p.53)
なるほど!
というか、やはり実際の音を聞いて
見ないとイマイチわかりにくいです
よね。
というわけで、下記動画で実際に
ベトナム人の先生がベトナム語のダ行
の子音を発音しています。
4:52あたりからです。
初級ベトナム語文法#第5課「子音1回目」
https://youtu.be/cIoLr9p1_oo
確かに、「発音する直前に少し息を
吸って、からの真空からの発声」感
が感じられます。
上の動画ではわかりにくいですが、
こうした方法でダ行を発音すると、
ダ行の直前で一度音が途切れるような
感じになります。
これを日本人が聞くと、
「なんか、変なところで言葉が途切れ
るな。」
のような印象を持ってしまうんですね。
逆に、日本語のダ行音が正しく発音
できるようになれば、
日本語の発音がかなり滑らかな感じに
なると考えられます。
ベトナム人学習者には、ぜひ日本語の
ダ行の発音法を身につけてもらい、
スムーズに日本人とコミュニケーション
をしてほしいですよね。
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では、ベトナム人学習者が日本語のダ行を
正しく発音できるようになる指導法を紹介
しています。
「ベトナム人学習者にもっと滑らかな
日本語を話してほしい。
そのための指導法を知りたい。」
という方は、ぜひご参加ください。