“日本語教育など強化を” 有識者会議:法務省
コロナ禍で、何かと暗い話題の多い
日本語教育界。
その中で、とても明るいニュースが
飛び込んできました。
下の「日本語教育ニュースフラッシュ」
でも取り上げている、これです。
外国人との共生社会へ “日本語教育など強化を”
有識者会議:NHK NEWS WEB
https://bit.ly/3psL7Z1
記事の全文は以下の通り。
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外国人との共生社会の実現に向けて、政府の
有識者会議は、社会参加のための日本語教育
や外国人に対する情報発信の強化などに取り
組む必要があるとする意見書をまとめました。
政府は来年6月をめどに工程表を作成すること
にしています。
29日午後、座長を務める政策研究大学院大学
の田中明彦学長が古川法務大臣に提出しまし
た。
この中では、円滑なコミュニケーションと社
会参加のための日本語教育や外国人に対する
情報発信と相談体制の強化のほか、
ライフステージやライフサイクルに応じた支
援などに重点的に取り組む必要があるとして
います。
具体的には、日本語教育の質の向上に向けた
「公認日本語教師」の資格の創設や、
災害時の避難場所やコロナ禍での支援策など
を確実に伝えるため、マイナンバー制度の専
用サイト「マイナポータル」を活用したプッ
シュ型の情報発信などを求めています。
これを受けて、政府は今後、関係者へのヒア
リングなどを行って、来年6月をめどに外国
人との共生社会の実現に向けた工程表を作成
することにしています。
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同様のことが、法務所のホームページでも
紹介されています。
また、その有識者会議については出入国在留
管理庁のホームページで紹介されています。
外国人との共生社会の実現のための有識者
会議
https://bit.ly/3xwTdDr
政府が、いかに日本語教育に力を入れて
いきたいかがよくわかりますね。
これまでも、政府は日本語教育関連の施策
を打ってきましたが、
今後も公認日本語教師の創設など、さらに
さまざまな施策を打ち出してくると思われ
ます。
それだけ、政府の日本語教育に対する期待
が大きいわけですから、
私たち日本語教師も、しっかりスキルアッ
プして、その期待に応えていきたいところ
ですね。
ただ、その際、1つ気をつけなければなら
ないことがあります。
それは、日本語教育の専門家である私たち
日本語教師と、
一般の日本人では、外国人の日本語に対す
る評価のポイントが、微妙に違うというこ
とです。
私たち日本語教師は、当然学習者の日本語
力を多面的に評価する。
例えば、
「この学習者は、語彙は豊富だけど、文法
がイマイチ。」
とか、
「この学習者は、読解力はあるけど聴解力
が低い。」
というふうに詳細に分析できるわけですね。
ところが、一般の日本人がここまで詳細な
分析など出来ようはずがありません。
そもそも、「動詞のテ形」すら知らない
わけですから(当然と言えば当然)。
では、彼らは外国人の日本語をどこで評価
するかというと、
ほぼ「発音」です。
例えば、目の前にJLPT-N1に合格していて、
でも、発音が下手な外国人(しかも非漢字
圏)がいるとします。
私たち日本語教師は、その外国人に対して
おそらく、
「う~む、発音で損してるな。
せっかく非漢字圏でN1にまで合格している
のにもったいない。」
と評価するでしょう。
ところが、一般の日本人は、日本語教育の
評価法など知るはずもなく、
それどころかJLPT-N1ですら、「なにそれ?」
ぐらいの感覚でしょうし、
非漢字圏学習者にとってN1合格がいかに大変
かなど、知る由もないわけですから、
「発音が下手。」
などとは評価せずに(というかできずに)、
ざっくり、
「日本語が下手。」
と評価してしまうのです。
この部分、私たち日本語教師は肝に
銘じておかなければなりません。
学習者に語彙や文法の知識を身につけさせ
たり、
読解力や聴解力を身につけさせることもも
ちろん重要ですが、
それ以上に、「正しい発音で話す」という
ことが、これまで以上に重要な指導項目に
なると考えられるからです。
なぜなら、日本語教育に求められている
ことは、
「日本人と外国人の、日本語によく円滑な
コミュニケーション。」
であり、その土台をなすのが、他ならぬ
「正しい発音」だからです。
こうした文脈があるからこそ、私は
12月4日に下記セミナーを開催することに
したのです。
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篠研の日本語の教え方セミナー
「音声指導の基本と具体的指導法
-その場でできる!発音がよくなる!-」
(12月4日開催)
https://www.kanjifumi.jp/onseisidou/
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これまでの日本語教育界は、音声教育が
ずっとボトルネックでした。
現在でも、日本語の主教材で語彙にアクセント
記号が入っているものは皆無です。
ですが、これからは音声指導ができなければ
日本語教師の指導力は正しく評価されない
でしょう。
いくら初級文型の授業や読解指導ができても、
それだけではダメなのです。
「せっかく指導した学習者を、発音で損を
させたくない。」
という方は、ぜひご参加ください。
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篠研の日本語の教え方セミナー
「音声指導の基本と具体的指導法
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(12月4日開催)
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