出題意図が分かれば試験対策指導は有意義で楽しい。
先日、
篠研の日本語の教え方セミナー
「日本語能力試験対策指導の基本
-N4・N3の科目別指導のポイント-」動画
https://www.kanjifumi.jp/n4n3-doga/
をお求め頂いたN.N様よりご感想を
頂戴いたしましたので、ご紹介いた
します。
N.N様、動画ご購入ならびにご感想を
ありがとうございました。
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オンラインレッスンでJLPTを指導する
ことになり、急いで購入しました。
今朝は5時から視聴しました!
動画コンテンツは時間的にも
本当にありがたいです。
日本語学校でも、JLPTを担当しま
したが、特に指導はなく、
ただ、あてがわれた教科書を普通に
やるだけでした。
日本語学校では時間がないので、
誤答の選択肢は間違いが多かった
ものだけは説明しましたが、
他は触れないようにしていました。
今回はプライベートオンラインレッスン
なので、
これからはきちんと他の選択肢も説明を
入れていきたいと思います。
こちらの動画は、問題作成の意図、
指導のポイントがわかり、
大変有益なものでした。
学生たちに効率的な指導ができると
思いました。
出題の仕方がわかると、テストって
面白いものですね。
明日からJLPTのオンラインレッ
スンが始まりますがとてもワクワク
しています。
篠崎先生、いつもためになるコンテンツ、
ありがとうございます。
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> こちらの動画は、問題作成の意図、
> 指導のポイントがわかり、
> 大変有益なものでした。
>
> 学生たちに効率的な指導ができると
> 思いました。
素晴らしいですね。
というか、まさにそのために本動画を
作りました(^_^)
「試験対策指導は、苦手。」
「指導が難しそうで、ハードルが高い。」
という方がいらっしゃいますが、
それは本当にもったいないことだと
思います。
なぜなら、試験対策ほど指導内容や
目標が明確で、
かつ、学習者の日本語力を倍速で
伸ばせる活動はないからです。
それは、実際の問題を見てみれば
よくわかります。
日本語能力試験の公式サイトに
レベルごとの問題例が掲載されて
います。
問題例に挑戦しよう
https://www.jlpt.jp/samples/forlearners.html
で、例えば、N3の言語知識(文字・語彙)1
漢字読みでは、以下のような問題が紹介されて
います。
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___のことばの読み方として最もよいものを、
1・2・3・4から一つ選びなさい。
山本さんはクラスの代表に選ばれた。
 ̄ ̄
1 たいひょう 2 だいひょ
3 だいひょう 4 たいひょ
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正解は、もちろん3なわけですが、
選択肢の構成を見ると、2つの要素の組み合わせ
からなっているのが分かります。
すなわち、
「代」を「だい」と読むか、「たい」と読むか。
「表」を「ひょう」と読むか、「ひょ」と読むか。
つまり、この問題は、
1 清濁の読みができるか。
2 長音の読みができるか。
というのが、出題意図になっているわけ
です。
これらがちゃんとできるようになるのが
目標というわけで、
実際、漢字の読みにおいて清濁や長音の
読みを苦手とする学習者は結構多いので、
ここをしっかり指導すれば、それだけ
効率的に学習者にの本語力を高めること
ができるわけです。
また、漢字の読みの不正確さは、
往々にして、学習者の発音の不正確さと
連動しているので、
ただ書かせるだけではなく、実際に
正しく発音させるといった指導が有効
なんですね。
問題を見て、出題意図が分かれば、
指導内容や指導ポイントも明確になり、
学習者の日本語力も高めやすいという
ことが、ご理解いただけましたでしょうか。
ちなみに、このように2つの要素の組み
合わせからなる選択肢のタイプを
「2×2」(ツーバイツー)
と言います。
日本語能力試験の場合、選択肢の構成は
概ねこの「2×2」か、
各選択肢の構成要素がバラバラの
「1×4」(ワンバイフォー)の
いずれかです。
ですが、この「1×4」であっても
選択肢全体に何らかの共通点を持たせて
いることが多く、
そこがまた、重要な指導ポイントに
なるんですね。
試験対策指導は、とても面白いです。
ぜひチャレンジしてみてくださいね(^_^)