日本語の会話の教え方-ロールプレイのやり方(3)
「ロールプレイのやり方」シリーズ。
3回目の今回は、
「ロールカードに盛り込む内容」
です。
ロールカードとは、ロールプレイを
する際に、学習者それぞれに渡す
指示カードの事です。
そもそもロールプレイは、通常2人
で行うので、AB2種類のカードを
用意します。
また、ABにはそれぞれ異なる内容の
指示が書かれています。
いわゆるインフォメーションギャップ
ですね。
情報に差を設けることで、当事者である
学習者は、その差を埋めようとして
コミュニケーションをするわけです。
例えば、このようなカードです。
テーマ:友達をカラオケに誘う。
――――――――――――――――――
A
ここは教室です。
今日でテストが終わりました。
友だちのBさんをカラオケに誘って
ください。
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
B
ここは教室です。
今日でテストが終わりました。
友だちのAさんがあなたをカラオケに
誘います。ですが、できるだけ断って
ください。
――――――――――――――――――
いかがでしょうか。
これらのロールカードを渡された
学習者が、
カラオケに誘ったり断ったりする会話が
想像できますでしょうか。
では、このようなロールカードは
どのように作成すればいいのか。
さらにいうと、どのような内容を盛り
込めばいいのか。
これは非常に重要です。
なぜなら、それによって指導する内容が
かなり変わってくるからです。
私がロールカードを作成する際、必ず盛り
込む内容は、以下の4点です。
1)場所。 例)教室で
2)背景。 例)試験が終わった
3)AとBとの人間関係。 例)友達同士
4)タスク。 例)カラオケに誘う/断る。
1)によって、その場に合った話し方
(例:静かな所か賑やかな所か)を学ぶ
ことができます。
2)によって、会話の前提条件に沿った
コミュニケーションを学ぶことがます。
3)によって、人間関係に基づいた待遇
表現を学ぶことができます。
4)によって、タスク達成のための交渉術
を学ぶことができます。
いかがでしょうか。
これらはすべて、会話を成立させるための
さまざまな変数であり、
これらの変数をいろいろ変えることで、
多様なコミュニケーション能力を育成する
ことができるわけですね。
皆さんも、いろいろロールカードを作成し、
ロールプレイを試してみてください。
楽しいですよ(^_^)