学生の入国制限。同僚はリストラ。どうしたらいい。
新学期を前にして、外国人の入国の
見通しもなかなか立たない中、
「新学期からどうなるんだろう。」
と不安な方、
あるいは、検定試験の勉強がなかなか
手につかない方もいらっしゃるでしょう。
そんな中、篠研の通信講座の会員の方から
以下のようなご相談をいただきました。
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こんばんは。去年のテスト終わってから、
せっかく年会員になったのに、勉強に取り
組めていません。
入国制限で合格しているベテランの先生たちの
リストラがはじまりました。
私もいつ切られるかわかりません。
このような中どのようにモチベーションを
維持すればいいでしょうか?
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確かに周りの方がリストラされていくのを
目の当たりにすると、
「このままで自分は大丈夫なのか。」
と不安になる気持ちは、よくわかります。
ですが、こういう時こそ、より広い視野で
物事を考えていただきたいのです。
ここで思い出していただきたいのは、
戦後の日本語教育史です。
日本語教育界はだいたい15年ぐらいの周期
で景気の波がやってきます。
コロナ前までは、国を挙げて外国人材や
留学生の受入れを積極的にやってきました。
なので、日本語学校もとても景気がよかっ
たわけですね。
それが、コロナで一変したと。
ただ、このような状況は過去に何度もあり
ます。
留学生10万人政策の前後がそうでしたし、
留学生30万人政策の前後もそうでした。
留学生30万人計画が達成された翌年から
入管は日本語学校に対する在留許可の
引き締めを行い、
学校によっては、新入生の在留許可率
0%というところもあったと聞きます。
しかし、その後、国が大々的に日本語教
育推進を進めたことから、再び脚光を
浴びるようになりました。
こういうことは、周期的に起こるんで
すね。
日本語教師を25年もやっていると、
「毎度のことだな。」と思ってしまい
ます。
なので、今のような状況もあくまでも
一過性のもので、
また、近いうちに盛り返す時期が来る
と考えた方がいい。
大切なことは、その時、つまり盛り返
した時に、にその波に乗る準備ができ
ているかということなんですね。
では、次の波に乗るために大事なこと
は何か。
私の見る限り2つポイントがあるよう
に思います。
1つは、周囲のことに振り回されず、
今できることに専念すること。
目の前の課題に、真面目に、地道に
ひたすらに取り組むこと。
結局のところ、学習者がゼロになるこ
とはないわけで、
いつの時代も学習者は高いスキルで誠
意をもって教えてくれる教師を求めて
いるわけですから、
その期待に応えられる教師は、いろい
ろあっても結局は生き残ります。
そのための実力をつけよ、というわけ
です。
2つ目は、時代の変化に適応する努力
をすること。
特に、今のように変化の激しい時代で
は極めて重要なことです。
また、完全に順応できるかどうかより
も順応しようと努力していることの方
が非常に重要です。
順応しようと努力していれば、まわり
が自然と手を貸してくれ、
結果、自力では到達できないレベル
まで成長することもできるでしょう。
「早く以前のような対面式の授業に
戻らないかなぁ。
どうせいつか以前のように戻るわけ
だから、オンラインレッスンのスキ
ルを身につけても無駄だ。」
と思って、ZOOMの使い方を始めとする
ICTスキルを身につけることを怠れば、
いずれ淘汰されるのは時間の問題です。
かりにコロナが終息しても、以前と
全く同じアナログな対面式授業が戻る
というのは、かなり考えにくい。
なぜなら、この1年間で教育現場も
ICTの利便性に気づき、使いこなせる
ようになってきているからです。
いずれにしても、この状況はいつまで
も続かないわけですから、
「朝の来ない夜はない。
夜明け前が一番暗い。」
と信じて、精進を重ねるのが一番だと
思います。
また、この状況を機に、
「本当は、自分は何をしたかったのか。」
について考え直すことも大切です。
長くなりそうなので、続きは次回に。