コロナは一過性のものではなく時代である(その2)
前回、
「箱モノとしての日本語学校が不要に
なる。」
そして、
オンライン登録の次のフェーズを考え
なければならない。
そんな話をしました。
今回は、その続きです。
当たり前の話ですが、
同業他社が集まるところというのは、
限られたパイの取り合いになるわけ
ですから、競争が激化します。
「友達がいるところの方が安全。」
と思って、お知り合いの方と同じ行動を
とる方が非常に多いのですが、
実は、その行動はビジネスという点から
いえば、得策ではありません。
理由は先ほど述べた通り。
従って、周囲と違う方向に走るという
ことがとても重要になってきます。
いわゆる差別化です。
この【差別化】がこれからのフェーズの
大きなポイントです。
ですが、これは結構勇気のいること
です。
なぜなら、孤独の中で道なき道を
行かなければならないからです。
しかも、これまでの日本語教育界は、
教育の差別化など、1mmも考えてきま
せんでした。
どの教師、どの日本語学校も、
▼同じような教材を使い、
▼同じような指導マニュアルのもと
▼同じような授業を行う。
教育内容で差別化できないから、
価格で競争するしかなかった。
だから、教師の待遇は一向に上がらな
かったのです。
また、これまでの日本語教育を一言で
言うと、まさに「みんなの日本語」。
これは、何も特定の教材を指している
のではなく、
「万人に通じる日本語教育」
を志向していたのです。
学習者の多様化は昔から言われていましたが、
その実は、ほとんど留学生(日本語学校
生や大学生、大学院生)であったわけ
ですから、
教育内容もほぼ一律ですんでいたわけです。
ところが、この10年、技能実習生や介護士・
看護師候補生、外国人児童生徒、ビジネス
パーソンといったように、
学習者がどんどんセグメント化される
ようになった。
もちろん、こうした学習者は以前からいた
のですが、
数が増えたことでマーケットを形成する
ようになった。
これにより、
▼外国人児童生徒に特化した日本語教育
▼ビジネスパーソン向けの日本語教育
といったように、各セグメントに特化した
日本語教育のニーズが高まったと。
つまり、「みんなの日本語」から
「あなたの日本語」にシフトしている
のが、今の日本語教育なのです。
こういう流れの中で、私たち日本語教師が
考えなければならないのは、
「どの学習者をターゲットとし、
どのような特色のある教育で差別化することで、
自分をマーケットにどう認知してもらうか。」
ということ。
つまり、セルフブランディングです。
ここで、ブランディングに成功し、
いち早くマーケットを押さえれば、
先行者利益を得るとともに、常に優位に
仕事を進めることができるでしょう。
セルフブランディングは、これから
本当に重要になってくると思いますので、
今のうちから考えられることを強く勧めます。
しかしながら、話はこれに止まり
ません。
続きは、次回に。