授業でなかなか発言しない学習者への対処法。

今回のお話は、12月20日に実施した

「学習者が前のめりになる質問型授業」
セミナー

で、お話しした内容で、

多くの日本語教師の方も同じようなお悩みを
持たれていると思いますので、ここでシェア
します。

まずは、ご参加いただいたK.A様ご感想を
ご紹介いたします。

K.A様、セミナーご参加並びにご感想を
ありがとうございました。

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ありがとうございました。大変参考になり
ました。

ZOOMでの3.5時間でしたが、スピード感と
緊張感であっという間でした。

質問をすることで学習者の本音やスキルも
判りやすくなりますし、教師側の観察力も
磨かれます。

周囲で発言を聞く学習者もその先の問題や
なぜそうなるかをよく考える様になります。

特にシャイな学生にはいきなり質問せずに
「学習者が慣れてくる」までは声かけする
ところから始める、

というあたりが先生の人柄というかスキルの
現れなのでしょう。

自己満足でなく相手本位で授業を実践する
大切さを学びました。

社内会議やミーティングでもこのやり方は
応用できそうです。

私の部下はもう内職できませんね。(笑)

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この中の、

「特にシャイな学生にはいきなり質問せずに
「 学習者が慣れてくる」までは声かけする
ところから始める。」

というのは、

参加者の方の中から、

「授業でなかなか発言しない学習者に
どう対処したらいいか。」

というご質問に答えたものです。

授業でなかなか発言しない理由として
考えられるのは、

▼下手な日本語をさらすのが嫌だ。
▼人前で話すのが恥ずかしい。
▼日本語で話すことに慣れていない。
▼日本人と話すことに緊張する。
▼なんとなく目立ちたくない。
▼軽いあがり症
▼その先生が嫌いだ(笑)

などが考えられます。

こうした場合、無理やり、みんなの
前で

「キムさん、さあ何かしゃべって!」

などと言っても、なかなか改善する
ことはありません。

逆に、ショックで余計に話さなく
なってしまうこともあります。

こういう時に、役に立つ考え方が

【系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)】

という考え方です。

系統的脱感作というのは、行動療法の
一技法のことで、

何か強い不安やストレスを感じる状況や
モノに対して、

いきなりそれを克服しようとするのではなく、

簡単なことから徐々に慣れていって、そうした
不安やストレスを少しずつ克服しようとする
方法です。

例えば、今回のような

「授業でなかなか発言しないシャイな
学習者」

というのは、授業で発言することに
強い不安やストレスを感じているわけ
です。

こうした症状を克服するためには、

授業で話したり、教師と日本語で話したり
といったことに、段階的に慣れるように
働きかければいいわけです。

例えば、その学習者に、まずは、

「おはようございます。」とか、
「元気ですか。」

といった挨拶をする。

そうして、日本語で話しかけられる
ということに慣れてもらうと。

もちろん、最初はそれに対して学習者が
挨拶を返さないかもしれません。

でも、それでいいのです。

顔の表情が少しでも変わればOKです。

次に、授業時間外の休み時間に
少し声をかけてみる。

例えば、

「お昼ご飯は食べましたか。」

とか、あるいは、何か持ち物を
指して、

「かわいいハンカチですね。」

とか。

その学習者が話せるようなら、

「そのハンカチ、どこで買いましたか。」

と聞いてみてもいいでしょう。

この段階で大事なことは、学習者に

「この先生なら、下手な日本語で話しても
ちゃんと受け止めてもらえる。」

という感情を持ってもらうこと。

なので、日本語が多少不正確でも気にせず、
笑顔で受け止めてあげましょう。

それに慣れれば、今度は授業でクローズド
クエスチョン、

すなわち、答えや答え方がおおかた決まっ
ているような質問をしてみる。

典型的なのが、練習問題の答えです。

これができるようになれば、少しずつ
学習者の意見を聞くような質問をして
いくといいでしょう。

授業中に発言しないシャイな学習者には、
系統的脱感作。

ぜひ試してみてください。


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