オンデマンド授業が自律的学習に繋がらない理由(その1)

このコロナ禍の中、多くの教育機関で
なされている授業形態は、大きく

1.対面式授業
2.同時双方向型授業
3.オンデマンド授業

の3つに分類されます。

1.対面式授業とは、教室に学習者を
集めて行う従来型の授業形態です。

目の前に学習者がいるわけですから、
教師にとっては一番学習者の把握も
管理もしやすいと。

とはいえ、このコロナ禍では、できたり
できなかったりといった状況ですね。

2.同時双方向型授業とは、対面式授業
をオンライン上で行う授業形態です。

ZOOMを使って行う授業がわかりやすいか
と思います。

学習者とオンライン上で直接やり取りを
しますので、コロナ対策にもなりますし、
学習者の状況も、まま分かります。

ただ、対面式授業のやり方をそのまま
しようとしても、

細かいところで勝手が違うので、必ず
しもうまくいくわけではありません。

また、学習者がカメラの前からいなく
なったり、カメラをオフにされたら、
教師はどうしようもなくなります。

従って、

ZOOMであればその機能や、ウェブ上の
ツールをいかに効果的に使って魅力的
な授業にするかが成否の分かれ目、

といったところでしょうか。

3.オンデマンド授業とは、ウェブ上
にあげた課題を、

学習者が好きな時に、自由にアクセス
して、自分のペースで学習する授業形態。

(とはいえ、課題の締め切りは守ってね。)

このオンデマンド授業は、学習者が
学習しないとカリキュラムが進まない
仕組みですので、

一見、学習者の自律的学習を促進する
かのように見えます。

もちろん、実際に自律的学習が促進
される学習者もいます。

どういう学習者かというと、

「目標に対する執着が異常に高い
学習者」

要は、本気の学習者です。

例えば、

「今年中に何としてもJLPT N1に合格
したい!合格しなければならない!」

といった学習者は、オンデマンド授業
に向いています。

とにかく、邪魔を入れずに、孤独に
ガンガン勉強して、

分からないときにだけ教師にチャット
で質問できればいい。

こういう学習者には、目的達成に足る
課題を与え、適切にフィードバック
すれば、

成果も出るし満足度も上がります。

しかし、そうでない学習者、すなわち

▼目標意識がさほど高くない。目標を
自分事として捉えられない。
▼自分でガンガン勉強するタイプじゃ
ない。
▼隙あらば怠けようとする。

そんな学習者であれば、オンデマンド
授業は(よほど授業運営を工夫しない限り)

かえって学習効果も学習意欲も下げ
ますし、学習満足度も下がります。

このようにお話しすると、

「確かにこのタイプの学習者に
オンデマンド授業をあてがっても
学習効果が上がらないのは理解できる。

だが、学習意欲や学習満足度まで
下がるというのは、どういうことか。

そもそも学習意欲なんてないじゃ
ないか。

満足度が低いなんて、単に自分が
努力しなかったからじゃないか。

自業自得じゃないか。」

と思われる方もいらっしゃるかもしれ
ません。

おっしゃる通り、私もそう思います。

ただ、

その指摘は半分正解で半分不正解

というのが私のより正確な考えです。

なぜ、半分不正解なのか。

続きは、次回に。


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