公認日本語教師がなくなる?(その3-肩透かし)
本テーマの3回目。
今回は、
(1)「公認日本語教師」の実施の有無が
教師の待遇に関係するか、
(2)これから私たちはどう進めばいいのか、
のうち、特に(1)についてお話ししたいと
思います。
結論から言うと、
(1)さして変わらない。
(2)ビジネス感覚を高めながら、継続的に
行動すれば、未来は明るい。
というのが私の考えです。
まず(1)から。
おそらく多くの日本語教師の方は、
「公認日本語教師になれば、日本語教師の
社会的地位も上がり、待遇もよくなる
だろう。」
と思われるかもしれません。
もちろん、そうなればいいと私も
思います。
ですが、事はそう簡単なものでは
ありません。
そもそも教師の待遇は、社会的地位が
上がれば上がるようなものではなく、
教育機関や企業が、待遇が上がるような
ビジネスモデルにならなければ、
教師の待遇はいつまでたっても上がら
ないのです。
また、待遇は雇用主と日本語教師の
需給バランスが大きく影響します。
雇用主はできるだけ安い給料で雇用
しようとしますから、
交渉に負ければ、日本語教師は、
低い待遇でも受け入れざるを得
ません。
ましてや、日本語教師は交渉事が
苦手だという方が多い。
ですので、なおのこと待遇が上がり
にくいんですね。
また、対面ベースの教育産業は
もともとさほど収益が上がるビジネス
モデルではありません。
「いいや、学習者をたくさん抱えれば、
収入が増えるはずだ。」
確かに、収入は増えます。
ですが、その分、
▼教室の確保(ハード面の設備投資費)
▼教育用機器備品
(ソフト面の設備投資)
▼教師の確保(人件費)
など
学習者の増加に比例して、さまざまな
経費がかかります。
とりわけ経理上最も重たいのが人件費
なんですね。
だから、雇用主は経営を安定させる
ために、
少しでも人件費を削ろうとするわけ
です。
「雇用主って、なんて悪いやつ
なんだ!」
と思われるかもしれませんが、
実はそうでもありません。
雇用主にとっては、会社を存続
させることが至上命題。
だから、人件費を削ってでも利益を
確保し、
財務状況を安定させることは
彼らにとっては正義なのです。
なんなら、
「もし自分が学校経営者だったら。」
と考えてみてください。
もともと収益が上がりにくいビジ
ネスモデルで、
人件費が重くのしかかっている
とすれば、
「そりゃ、そうだよな。」
と思われるのではないでしょうか。
冒頭で「さほど変わらない」と
言った意味をご理解いただけました
でしょうか。
ここまで、とても厳しいことを言って
きましたが、
まずは、このことを冷静に受け止める
ことが大事です。
その上で、
「じゃあ、自分はこれからどうしたら
いいのか。」
「どんな知識やスキルを身につけて、
今の時代を乗り越えていったらいいのか。」
を考える。
そうすると、実は今までになかった
明るい未来が開けてくる。
と、私は思います。
というのも、「さほど変わらない」
というのは、
今までのワークスタイルの枠組みで
考えれば、ということを前提にして
いるからです。
ということは、
前提が変われば、
今までの枠組みを外せば、
いくらでも待遇が上がる可能性は
ある。(篠崎実証済み)
続きは、次回に。