動詞の活用から今を生き抜く思考法を読み解く(その4)
今回は、4回シリーズの最終回。
しっかり課題に取り組まれた方、
本当にお疲れさまでした。
これまで取り組んでこられた
「動詞の活用ルール学習」
いったいどのような意味がある
のでしょうか。
まず、これまでやってきたこと
というのは、
1.「書く」「起きる」「寝る」
という、実在する動詞の活用形
を確認し、
2.そこから、五段動詞、一段動
詞の活用ルールを抽出し、
3.そのルールを架空の動詞
「くじらる」「ひつじる」に
あてはめてみた。
ということ。
この思考というのは、結局のところ、
1.具体的事象をつぶさに観察し
(具体1)、
2.そこから一般的な概念、法則性、
原理原則、物事の本質、真理を
見出し(抽象)
3.2で得た原理原則を、別の具体的
事象に応用した(具体2)
という思考を、動詞の活用を例に
やってみたということなんですね。
ちなみに、1から2への思考(=情報
処理)をボトムアップ、
2から3への思考(=情報処理)を
トップダウンといいます。
そして、この
「具体1→抽象→具体2」
という思考ができるということが、
【これからの時代を生き抜くための
大変重要な思考法】
なのです。
なぜなら、身近な事柄から物事の
本質を見抜き、
それを、誰も考えなかったような
領域に応用して成功する。
という、再現性の高い成功方程式を
手に入れることができるからです。
しかし、これがなかなかできません。
(でも、意識さえすればだれでも
身につけられます。)
多くの人は、具体1から抽象に思考を
昇華させることができず、
▼コロナはいつになった終息するん
だろう。
▼やっと検定試験が終わった。
羽を伸ばすぞ!
▼勤務校の授業がなかなか再開しない。
どうしよう。
▼求人が減って、就活がうまくいか
ない。だめだ。
など、常に目の前の出来事に振り回
され続けるのです。
一方、
「具体1→抽象→具体2」
の思考ができれば(すれば)、人生が
まったく変わります。
例えば、リクルートという会社が
あります。
実に多くの事業を展開しています
よね。
▼住宅・不動産購入や売買をサポート
する【SUUMO】
▼全国の美容院・美容室・ヘアサロン
を紹介する【HOT PEPPER Beauty】
▼結婚式場を紹介する【ゼクシィ】
▼旅行予約紹介の【じゃらん】
▼中古車販売の【カーセンサー】
▼新卒の就活をサポートする
【リクナビ】
▼アルバイト・パート情報サイト
【タウンワーク】
などなど。
わかりました?
一見、多事業のように見えますが、
ビジネスモデルは、たった1つ。
マッチングビジネスです。
創業者の江副浩正氏は、大学時代、
仕事を求める大学生と、
アルバイターを探している企業とを
引き合わせる仕事を始めました。
そしたら、これが大当たり(具体1)
「なるほど、マッチングさせれば
いいんだ!」(抽象)
そして、さまざまな分野にマッチング
ビジネスを展開(具体2)
結果、大成功を収めたというわけです。
翻って、
このコロナ禍の中、皆さんの中には、
「パソコン越しの授業はなかなか
うまくいかないなぁ。
対面授業に戻らないかなぁ。」
と、目の前のもやもやから抜け出せない
という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時こそ、抽象思考。
「どうして、対面授業がよかったのか。」
もっというと、
「対面授業は、学習者にどのような
価値を提供していたのだろうか。」
ということを、深く深く考えてみて
ください。
▼日本語という知識
▼クラスメートとの授業中の交流
▼クラスメートとの授業外の交流、交友。
▼●●クラスという一体感、アイデン
ティティ
▼ちょっとした雑談から得られる、学習
項目以外の情報や教師の人柄
また、日本に住むということを考えれば、
▼日本での生活体験や日本人とのリアル
な交流。
というのも、提供価値にあがってくる
でしょう。
であれば、
それらの要素のうち、今の授業で取り入
れられるものがないか、考えてみては
いかがでしょうか。
1つや2つは、絶対に取り入れられる
ものがあるはずです。
そして、取り入れれば、きっと、今よりも
もっといい授業になるに違いありません。
すべては、皆さんの想像力、アイデア
次第。
ぜひ、取り組んでみてくださいね。