「地域における多文化共生推進プラン」(改訂)を読む(その5)
シリーズ
「地域における多文化共生推進プラン」(改訂)を読む。
出典先は、こちら。
「地域における多文化共生推進プラン」の改訂
https://bit.ly/3d2vHnx
第5回の今日は、
「3.地域における多文化共生を推進するための具体的な施策」
の2回目。
読むのが大変かもしれませんが、一度読んでしっかり読んで
おくと、後々楽です。
なぜなら、各省庁や政府が出す多文化共生推進施策は、
どれも似たり寄ったりだからです。
2018年以降、なんやかんやでこの手の報告書はたくさん
出されましたが、
表面上の言葉は違っても、言っている内容はみな一緒。
おそらく、多文化共生施策は様々な省庁が複雑に絡み
合っているので、
特定の省庁や政府も、あまり突飛なことは言えないの
でしょう。
そりゃ、そうですよね。
というわけで、以下、本文。
==========================
キ.進路指導・キャリア教育
外国人生徒の高等学校・大学等進学や就職に向けた
進路指導・キャリア教育を実施する。
特に、外国人の子供が社会で自立していくためには、
高等学校等において適切な教育を受けることが重要であり、
高等学校等への進学を促進する観点から、中学校等に
おいて外国人の子供やその保護者に対して早い時期からの
進路ガイダンス・進路相談等の実施、
公立高等学校入学者選抜において外国人生徒を対象とした
特別定員枠の設定や受検に際しての配慮等の取組を推進す
る。
ク.全ての児童生徒を対象とした多文化共生の考え方に
基づく教育の推進
国籍等の違いにかかわらず、誰もが社会の構成員である
ことを学ぶことが重要である。
外国人の児童生徒を受け入れていない学校も含めて、
全ての児童生徒を対象として、多文化共生や異文化理解
の考え方に基づく教育を推進する。
その際、外国人の人権尊重の視点に配慮する。
ケ.外国人学校を各種学校等として設置認可する際の
要件審査の弾力的取扱い
外国人学校を各種学校又は準学校法人として設置認可の
際の校地及び校舎等の自己所有要件等の審査を行うに当
たって、
地域の実情に応じて、より弾力的な取扱いについて配慮
する。
コ.幼児教育制度の周知・多文化対応
保育所等とも連携しながら、情報提供に努めるとともに、
言語、習慣面での配慮を行い、外国人の子供の幼児教育
に取り組む。
サ.学齢を経過した外国人への配慮
外国又は我が国において様々な事情から義務教育を修了
しないまま学齢を経過した者については、
学校の収容能力や他の学齢生徒との関係等必要な配慮を
した上で、公立の中学校での受入れを検討する。
また、地域の実情に応じて、夜間中学の設置を検討する。
夜間中学を設置している地方公共団体においては、夜間
中学への入学が可能であることを案内する。
2.適正な労働環境の確保
ア.就業支援
外国人の就業機会を確保するため、地域のハローワーク
等の関係機関と連携して就業支援を行う。
また、特定技能外国人をはじめとする外国人材の円滑
かつ適正な受入れを促進するため、
関係機関と連携して、地域の実情に応じて、地域の企
業に対する制度の周知、地域の企業とのマッチング支援、
地域における受入れ環境の整備、地域に就労することの
メリットの周知等を実施する。
イ.就業環境の整備促進
商工会議所をはじめとする関係機関と連携し、地域の企
業と協議の場を持つこと等を通じて、
社会保険への加入等の外国人労働者の就業環境の整備を
促すとともに、
地域社会の構成員としての社会的責任について啓発する。
ウ.起業支援
起業意欲のある外国人住民が、地域経済の特徴や外国人
の発想を活かした企業家として地域で活躍できるように、
情報提供等を行い、外国人住民の起業を支援する。
============================
特に最後の起業支援については、私も勤務大学の
学生を見ていると、
日本人学生より留学生の方が、はるかに企業意識が
高いように思います。
また、お金に対する執着も日本人学生より留学生の
方がはるかに高い。
数か月前、日本語教育実習の授業で、
「お金と友情と、どちらが大事か。」
というテーマでディスカッションしたところ、
実習生(ほぼ日本人学生)は、ほとんど友情
と答えた反面、
留学生は、当然と言わんばかりにほぼ全員お金
と答え、
一瞬教室が凍りついたことがありました。
(日本人学生、一同唖然)
そういうふうに考えると、留学生の起業支援は
かなり的を得ているかなと思います。
ただし、問題は支援する側がしっかりとした
ビジネスセンスと経験を持っているかということ。
支援者が正しくエスコートしてあげないと、
結果的に、借金まみれの外国人を大量生産する
ことになりかねません。
そう考えれば、公務員こそ副業を解禁し、副業の
成績によってキャリアアップできるぐらいの
ドラスティックな改革が必要なのではないかと
思います。
そうすれば、地方行政の無駄は一気に改善され、
税金の使い方ももっと効率的になるのではないかと
思います。
もちろん、起業志向の外国人に適切なアドバイス
もできるでしょう。
いやむしろ、公務員以上に、私たち大学教員こそ
自分の専門で起業し、その社会的有用性を体で証明
できるようにならなければ、
実社会と連動した教育はできないと、私は思います。