授業力を上げたければ、まず授業パターンのストックを。
篠研メルマガには毎日たくさんの方から
いろんな相談メールを頂戴するわけですが、
その中に、既に現場に立っていらっしゃる方で
「まだまだ自分の授業に自信が持てない。」
という方が少なからずいらっしゃいます。
そうした方の話をよくよく聞いてみると、
決して文法や語彙、指導法等に関する知識が
ないわけではなく、
ある方は420時間コースで学ばれたり
あるいは、ある方はご自身で専門書を読まれて
勉強なさったり、
という方が少なくないわけですね。
にもかかわず、ご自身の授業に自信が持てないと。
一方で、
先生方の中には知識と実践は別物で実際に授業力を
上げるためには現場実践を積むしかない
と考えていらっしゃる方もいらっしゃいますが、
それは必ずしも正解ではありません。
まず、知識については
実際の授業で必要な知識というのは、問題解決をする
ために様々な分野からの複合的な知識が必要です。
例えば、「文法」と「指導法」とか、
あるいは「語用論的規範」と「初級授業」というように
分野をまたいで必要な知識を統合して現場で活用していく、
ということが必要なわけです。
個々バラバラな知識では、現場に対応できないのです。
また、
確かに現場実践は授業力を高めるために必要だ
というものの、
やみくもに実践したからといって力がつくもの
ではありません。
その前に授業の典型的なセオリーというものを踏まえて、
授業実践をしなければ、
例えば何かうまくいかなくても、どこに問題点があるのか
ということを内省することができないわけですね。
では、そういった知識を身につ行けるためにはどうしたら
いいか、ということですが、
そこで私が最も勧めるのが、
「検定試験の過去問、しかも「試験III」を徹底的に
吟味する。」
ということなんですね。
検定試験の試験IIIは、現場に即した問題解決能力
そして、そのための分野をまたいだ複合的な問題が
出題されますが、
特に問題6~10あたりは、様々な学習者を対象にした、
様々なレベルの、しかも様々なタイプの授業が
具体的な形で紹介されており、
それを基に、授業の適切な進め方や留意点、学習者
への適切な対処法といったことが出題されています。
従って、
こうした問題をしっかり吟味することで、
様々なタイプの授業の基本的な進め方のパターンに触れ、
それを進めるうえでの留意点や授業の進め方のコツ、
というものを設問を通じて身に付け、
結果、授業パターンのストックを過去問を通じて増やして
いけば、
あとはそれををもとに授業実践を積んでいくことによって
徐々に自身の授業力に自信を持つことができる、
ということになるんですね。