無理なキャリア計画になっていないか。

前回の続き。

デビュー直後から飛ぶ鳥を落とす勢いの
お笑いコンビ「キングコング」(略称キンコン)。

数々の賞を総なめし、またレギュラー番組にも
数多く出演していた。

東京進出のきっかけにもなったフジテレビ
「はねるのトびら」は高視聴率を叩き出し、

また、当時一世を風靡した「笑っていいとも!」
のレギュラーも務めていた。

まさに人気絶頂だったのである。

そんな人気コンビであったが、その華々しい
デビュー、そして華やかな人気が、やがて2人を
苦しめることになる。

各局で引っ張りだこのキンコンはレギュラー番組が
多く、なかなか新ネタを作る時間を捻出することが
できなかった。

そのため、昼間の番組収録の最中に、その日の夜の
番組のネタを考えるというような日々が続いた。

当然、事前に舞台でネタ試しをするチャンスもなく、
台本もうる覚えのまま夜の番組収録に臨まざるを
得ない。

その結果、漫才の途中でセリフが飛んだり、掛け
合いのタイミングが合わなかったり、ネタが滑っ
たりすることも少なくなかった。

各賞を総なめした実績があっただけに、周囲の
反応は冷ややかで、批判やバッシングの的になった。

そんなプレッシャーの毎日が数年間続いた。

当時、キンコンは大阪から新幹線で東京に通って
いたが、

強いプレッシャーで、梶原は東京に近づくにつれ
恐怖を感じ、

新横浜のアナウンスを聞くと、体中の震えが止まら
なかったという。

そして、とうとう来るべき日が来た。

結成から4年後の2003年2月、梶原がストレスで
体調を崩し、約3か月間休養することになった。

表向きには「休養」となっているが、実は最初の
2か月半は失踪だった。

身に降りかかる現実に耐えられなかったのである。

相方の西野は、当時をこう振り返る。

「大したネタも実力もないのに、一気に絶頂に
登りつめた。

そのことが結果的に、こんな事態を招いて
しまった。」

その後、梶原は回復し、無事復帰を遂げた。

梶原は、この経験から「弱音を吐くことの大切さ」
を学び、マイペースを貫くようになる。

そして、現在は、周知のとおり120万人もの登録者
を擁する人気YouTuberとして活躍している。

◆   ◆   ◆

人は誰しも、1分1秒でも早く、目に見える結果が
欲しいと願うものです。

かくいう私も、結果を急いで失敗したことは数知れ
ません。
(恥ずかしすぎて、いまだに言う勇気がありません。)

しかし、中身も伴わないのに目先の結果だけを
追い求めると、必ず後々大きなしっぺ返しを食う
ことになります。

日本語教育で言えば、検定試験が典型的な例です。

ただ検定試験に合格するだけなら、受験テクニッ
クだけで合格できるかもしれません。
(残念ながら、私はその術を知りませんが。)

しかし、そういう人に限って、実際に現場に立った
ときに、想像とのギャップや教職という立場にかか
る重責に耐えかね、途中で辞めたりするものです。

せっかく大金を払い、1年や半年で合格できても、
短期で日本語教師を辞めてしまっては、

何のために検定試験合格に多くのリソースを投じた
のか分かりません。

日本語教師としての資質を養う手段であるはずの
検定試験が、いつの間にかさっさと通るべき通過
儀礼のようになってしまっているんですね。

このようなことは、検定試験に限らず、さまざまな
キャリアアップ、キャリア計画に当てはまります。

無理して急ぎ、よしんば願う結果を得られたとし
ても、後々必ずそのひずみはやってきます。

「急いては事を仕損じる」
「急がば回れ」

とはよく言ったものです。

今一度、ご自身のキャリア計画に無理がないか
見直してみてはいかがでしょうか。


日本語教師をめざす方、現職日本語教師の方のための無料メルマガ
無料メルマガ「篠研の“日々成長する教師”」

授業の小ネタや授業実践のコツ、教師としての考え方、息の長い日本語教師になるための知恵などを週2日(火・木)でお届けします。

さらに、今ご登録なさると特典が無料でダウンロードできます。
特典 「精読指導の秘奥義」(全24ページ)

解除はもちろんのこと、メールアドレス変更など個人データの編集も簡単ですので、ご安心ください。プライバシーポリシーをご確認の上、ご登録を希望されるメールアドレスを入力し、ご希望の項目ボタンを押してください。

  メールアドレス【必須】
  お名前(姓)【必須】
  お名前(名)【必須】
  よみがな【必須】
  都道府県【必須】 なお、海外在住の方は「海外」をお選びいただき、下記項目に例のようにご記入ください。
  海外にお住まいの方は「ベトナム(ホーチミン)」のようにお書きください。