会話(ロールプレイ)の定期試験で留意すべき点とは。
今日は、大学の日本語授業(初中級レベル:会話)
の期末試験でした。
この授業、日本語教育実習と抱き合わせの授業で、
実習生(日本人学生)も参加しています。
会話の試験の形式といえば、スピーチやプレゼン
テーションなどがありますが、
今回の試験は、試験官(=私)と受験生のマンツー
マンで行うロールプレイ。
もちろん、試験の様子は一人一人ビデオ撮影し、
後日、見直しながら成績評価をつけていきます。
試験中、検定試験に出題される学習者の誤用例が、
目の前でリアルに出てきて、なかなか面白かったです。
撮影係だった実習生(日本人男子学生)も、
「先生、あの学習者のあの言い方、検定試験に
出ていたやつですよね。」
「でしょ。」
と、お互い目を見合わせたほど(^_^)
ところで、
ロールプレイによる試験というのは、一般的な紙筆
テストとは違った実施上の留意点があります。
まずは評価。
どうしても採点者の主観的判断が入ってしまい
ますので、できる限り客観性を担保する工夫が
必要です。
具体的には、
・事前に評価の観点をリストアップし、採点基準
を明確にしておく。
・できれば複数の教員で採点し、採点結果を照合
しながら評価を調整する。
などが考えられます。
また、試験官が受験生によって質問や対応の難易
度にばらつきがあるといけませんので、
・質問や対応の内容のレベルを事前に十分吟味調整
しておく。
ということも大事です。
しかし、しかし、
ロールプレイの試験で最も注意しなければならない
こと。
それは、
【試験中にロールプレイの内容が未受験者に漏洩
しないこと。】
です。
これが崩れてしまうと、公平性が保たれず、後に
受験する学習者であればあるほど有利。
では、どうしたらいいか。
主な対応策は、次の2つです。
1.試験開始前に、受験者全員から携帯電話を回収
し、試験終了時に返却するようにする。
2.受験前控室、試験室、受験後控室を用意し、各
部屋にスタッフを配置し、受験者を適宜移動させ
ることで、未受験者と既受験者が接触しないよう
にする。
1の際、携帯電話は電源をオフにするかマナーモー
ドにするよう指示します。
また、2のようにするためには、教員一人ではでき
ませんので、他の教員にも協力してもらう必要があ
ります。
面倒ではありますが、こうすることによって試験問
題が試験中に漏洩することを防ぐことができます。
細かいことを追加すれば、学習者の荷物をどのよう
に扱うかということも決めておくといいです。
会話の試験は何かと面倒ですが、日常生活では最も
評価の目に触れる技能ですので、しっかり教育&評
価をしてあげてくださいね。