『令和元年度国内の日本語教育の概要』を読む(最終回)

前々回から始まりました

『令和元年度国内の日本語教育の概要』

出典はこちらです。

『令和元年度国内の日本語教育の概要』文化庁
https://bit.ly/2OVTzOo

最終回の今日は、

「III 日本語教育コーディネーターの現状について」

についてみていきます。

前回ご紹介した

「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」
https://bit.ly/3faPCjs

の最新版である、令和2年度改訂版では、

外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和2年度改訂)
の概要
http://www.moj.go.jp/content/001323660.pdf

(3) 日本語教育の充実(円滑なコミュニケーションの実現)

として、以下の項目が挙げられています。

○「生活者としての外国人」に対する日本語教育の充実(地域に
おける日本語教育環境を強化するための総合的な体制整備、日本
語教育の推進に関する法律に基づく地方公共団体の基本方針の作
成の促進等)
○日本語教室未設置の地域における日本語教室開設に向けた支援
の強化
○日本語教師の資質・能力を証明する新たな資格である公認日本語
教師(仮称)制度の整備
○外国人材との効果的なコミュニケーションを行う上でのポイント
やその学ぶ手法の調査等
○日本語教育を行う機関のうち、日本語教育の水準の維持向上を図る
上で必要な適格性を有するものに関する制度の整備の検討、検討結
果に基づいた必要な措置の実施

これらを実現すべく、日本全国津々浦々まで日本語教育を行き渡ら
せるためには、それぞれの地域に核となるキーパーソンの存在が不
可欠です。

その核となる存在が「日本語教育コーディネーター」(以下、NC)
なんですね。

従って、お住まいの地域にNCがいるかどうか、どこにいるか、
ということを知ることは、地域日本語教育に係る上でとても
重要です。

と同時に、日本語教育に長く関われば、いずれ自分もそのような
立場になる可能性があるということも念頭に置いておいた方がいい
かもしれません。

そのためにも、まずは概要を知っておきましょう。

以下、引用。

なお、本文中の図表、内訳図表関連記事は割愛いたしますの
で、もしご覧になりたいという方は、報告書をご覧ください。

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III 日本語教育コーディネーターの現状について

1 概観

令和元年11月1日現在,国内における日本語教育コーディ
ネーターを配置している機関・施設等数は235,
日本語教育コーディネーター数は722人となっている。

前年度と比較すると,機関・施設等数は4,日本語教育コー
ディネーター数は14人の増加となっている。

2 日本語教育コーディネーター配置機関・施設等数について

日本語教育コーディネーターを配置している機関・施設等の
内訳について見ると,国際交流協会が73(31.1%)と最も多く,

以下, 任意団体47(20.0%),地方公共団体40(17.0%),
大学等機関32(13.6%),

教育委員会と特定非営利活動法人がともに11(4.7%),社団
法人・財団法人が10(4.3%)の順となっている。

前年度は,国際交流協会が84(36.4%)と最も多く,以下, 地方
公共団体が42(18.2%),大学等機関が30(13.0%),任意団体
が29(12.6%),教育委員会が13(5.6%),

特定非営利活動法人が12(5.2%),社団法人・財団法人が9
(3.9%)の順となっていた。

3 日本語教育コーディネーター数について

(1)機関・施設等ごとの状況

機関・施設等の主体ごとに見ると,国際交流協会が183人
(25.3%)と最も多く,

以下,地方公共団体144人(19.9%),社団法人・財団法人
133人(18.4%),教育委員会74人(10.2%),任意団体72人
(10.0%),大学等機関が70人(9.7%)の順となっている。

前年度では,国際交流協会が231人(32.6%)と最も多く,以下,
地方公共団体が142人(20.1%),教育委員会と任意団体がと
もに76人(10.7%),

大学等機関が75人(10.6%)の順となっていた。

令和元年度は前年度と比較し,社団法人・財団法人が95人,
地方公共団体が2人,その他法人が1人増加し,

国際交流協会が48人,特定非営利活動法人が22人,大学等機関
が5人,任意団体が4人,教育委員会と法務省告示機関がともに
2人,

株式会社・有限会社が1人減少し、学校法人・準学校法人は増減
なしであった。

(2)職務別の状況

非常勤による者が327人(45.3%)と最も多く,以下,常勤によ
る者200人(27.7%),ボランティアによる者195人(27.0%)
の順となっている。

前年度では,ボランティアによる者が288人(40.7%)と最も多
く,以下,非常勤による者が213人(30.1%),常勤による者が
207人(29.2%)の順となっていた。

4 日本語教育コーディネーターの業務内容について

日本語教育コーディネーターを配置している機関・施設等に対し,
日本語教育コーディネーターが主に担当している業務について,

「日本語教師の養成・研修」,「地域における日本語教育の実態
把握」,「地域における日本語教育の企画・運営」,「日本語教
師や関係機関との連絡・調整」,「その他」の五つの業務内容の内,

該当するものを全て回答してもらい,集計した。

その結果,有効回答件数 776 件の内訳として,「日本語教師や関
係機関との連絡・調整」が 234 件,

「地域における日本語教育の企画・運営」が 198 件,「地域にお
ける日本語教育の実態把握」が 166 件,「日本語教師の養成・研
修」が135 件,「その他」が 43 件であった。

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機関・施設等数は235,日本語教育コーディネーター数は722人
ということは、1都道府県当たり平均5機関、CN15人となります。

最も多い設置期間が国際交流協会ということですので、市や県の
国際交流協会に行けば、いろいろな情報が得られるのではないか
と思います。

また、注目したいのは「(2)職務別の状況」。

昨年はボランティアが最も多かったですが、今回はそれに非常勤
がとってかわった形です。

おそらくは、業務の責任が増したことでボランティアの方には
荷が重いのではという判断と、

日本語教育への予算が増額されたことが影響したのではないかと
思われます。

実際、4のNCの業務内容を見てみると、高度な知識と豊富な経験
がなければ、なかなか務まらない仕事です。

個人的には、もっと常勤が増えて、安心して業務に専念できる
ような体制が早く整うといいなあと思います。

皆さんは、どのように感じられましたでしょうか。


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