『令和元年度国内の日本語教育の概要』を読む(第2回)

前回から始まりました

『令和元年度国内の日本語教育の概要』

出典はこちらです。

『令和元年度国内の日本語教育の概要』文化庁
https://bit.ly/2OVTzOo

第2回の今日は、

「II 日本語教師養成・研修の現状について」

についてみていきます。

政府は、2018年に打ち出した

「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」
https://bit.ly/3faPCjs

発表以来、国内の日本語教育の充実を強く推し進め
ようとしていますが、

そこで、強調しているのが「日本語教師の質の向上」。

いくらいい制度を作っても、第一線で働く日本語教師
の質がしっかり担保されていなければ、うまく機能し
ません。

そこで、文化庁は平成30年、下記報告書を発表し、
日本語教師の研修の枠組みを提示しました。

『日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)』
(改訂版)
https://bit.ly/3g6PHGp

これ、超重要報告書なので、まだ見ていないという方は
絶対に見てくださいね。

また、現在検討中の「公認日本語教師」もこうした流れ
の一環なのです。

前置きが長くなりましたが、以上を踏まえた上で下記を
読み進めると、より理解が深まると思います。

以下、引用。

なお、本文中の図表、内訳図表関連記事は割愛いたしますの
で、もしご覧になりたいという方は、報告書をご覧ください。

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II 日本語教師養成・研修の現状について

1 概観

令和元年11月1日現在,国内における日本語教師養成・
研修課程(コース),科目等を設け,

日本語教師等の養成・研修を実施している機関・施設等数
は579,

日本語教師養成・研修担当の教師数は4,701人,受講者数は
31,826人となっている。

前年度との比較では,日本語教師養成・研修の実施機関・
施設等数,日本語教師養成・研修担当の教師数,受講者数
のいずれも増加している。

平成2年度からの推移を見ると,日本語教師養成・研修実施
機関・施設等数は146から579(4.0倍)に増加し,

教師数は1,771人から4,701人(2.7倍)に,受講者数は15,146人
から31,826人(2.1倍)に増加している。

2 日本語教師養成・研修実施機関・施設等数について

(1)全体の動向

579となっており,平成30年度の520と比べ,59(11.3%)
増加した。

内訳は,大学等機関が7,国際交流協会が6,任意団体等が55
増加し,

地方公共団体・教育委員会が8,法務省告示機関が1減少して
いる。(年度別の推移については24頁参照。)

(2)機関・施設等別の状況

大学等機関が180(31.1%)と最も多く,以下,国際交流協会
136(23.5%),任意団体等113(19.5%),

地方公共団体・教育委員会91(15.7%),法務省告示機関59
(10.2%)の順となっている。

3 日本語教師養成・研修担当の教師等の数について

(1)全体の動向

4,701人となっており,平成30年度の4,078人と比べ,623人
(15.3%)増加した。

主な内訳は,任意団体等で370人,大学等機関で318人増加し,
地方公共団体・教育委員会で80人減少している。

(2)機関・施設等別の状況

大学等機関が2,896人(61.6%)と最も多く,以下,任意団体
等669人(14.2%),法務省告示機関458人(9.7%),

国際交流協会407人(8.7%),地方公共団体・教育委員会
271人(5.8%)の順となっている。

(3)職務別の状況

非常勤による者が2,232人(47.5%)と最も多く,以下,常勤
による者1,889人(40.2%),ボランティアによる者580人
(12.3%)の順となっている。

4 受講者数について

(1)全体の動向

31,826人となっており,平成30年度の29,561人と比べ,
2,265人(7.7%)増加した。

増減の内訳は,任意団体等で1,518人,地方公共団体・教育委
員会で1,398人,大学等機関で341人増加し,

法務省告示機関で845人,国際交流協会で147人減少している。

(2)機関・施設等別の状況

大学等機関が12,372人(38.9%)と最も多く,以下,国際交流
協会6,004人(18.9%),任意団体等5,359人(16.8%),

地方公共団体・教育委員会5,069人(15.9%),法務省告示機関
3,022人(9.5%)の順となっている。

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特に、現在教師養成講座に通われている方にとっては、
ご自身が、どういう文脈の中にいるのかが分かるのでは
ないかと思います。

また、気になるのが、「4 受講者数について」の(1)。

30年に比べ受講者が増加しているということは、それに
比例して検定試験受験予備軍も増えているということ。

ただ、今年に限っては、コロナの影響によって受験者が
減ることも予想されますし、

最悪、試験そのものが実施されないという事態も想定され
ます。

とはいえ、どんな時も地道に準備を積み重ねてきた者から
順番にチャンスは巡ってくるものですので、

学びの歩みを止めないことが大切です。


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