『2018年度 海外日本語教育機関調査』を読む(第4回)
引き続き
2018年度 海外日本語教育機関調査:国際交流基金
https://bit.ly/3iHfRB4
を読んでいきます。
今回は、その4回目。
「4.教師の概況」
についてみていきます。
海外で教えてみたいという方にとっては、とても
興味のあるテーマなのではないでしょうか。
「どんな感じで教えるの?」
「一クラスの学習者は、何人ぐらい?」
もちろん、具体的なことは各国の詳細なデータを
見なければわかりませんが、
「日本とどう違うの?」
と、ざっくりした違いを掴んでおくだけでも
有益だと思います。
では早速。
以下、引用。
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4.教師の概況
▼教師1人あたりの学習者数は 49.8人、日本語母語教師
の割合は21.0%▼
2018 年度調査における教師1人あたりの学習者数は全世
界平均で49.8人であり、2015 年度調査の57.0人よりも少
なくなっている。
また1機関あたりの教師数は4.1人であり、2015 年度調査
の4.0人から僅かに増加している。
日本語の母語教師数は 2015 年の14,301人から16,252人
へと増加している一方、教師数全体に占める割合は22.3%
から21.0%へと低下している。
▼日本語教師数が多いのは学校教育以外のカテゴリ、全
教師に対する母語教師の割合は初等教育が最多▼
1機関あたりの教師数が最も多いのは学校教育以外の7.3人
で、次いで高等教育の 6.1人となっている。
一方で初等教育(2.0人)や中等教育(1.8人)ではともに
少なくなっている。
これらの傾向は2015 年度調査と概ね同じであるが、教育
段階毎の差は前回よりもやや小さくなっている。
全教師に対する母語教師の割合が高いのは初等教育の
37.4%となっており、次いで高等教育(26.4%)、学校教
育以外(20.6%)、中等教育(16.3%)の順番となっている。
なお、1機関あたりの母語教師数が多いのは高等教育(1.6人)
であり、次いで学校教育以外(1.5人)となっている。
▼教師1人が抱える学習者数が多いのは大洋州
母語教師の割合が高いのは北米と西欧▼
地域別にみると、教師1人あたりの学習者数は大洋州(121.0人)
が高くなっており、次いで東南アジア(64.5人)やアフリカ
(50.0人)となっている。
東南アジアは今回調査で教師数が大きく伸びていたため、
前回よりも教師あたりの学習者数が減っている。
また、母語教師の割合が高いのは北米(77.4%)と西欧
(75.7%)であり、この傾向は近年の調査で一貫している。
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「教師1人あたりの学習者数は 49.8人」
と聞いて、
「うわ~、多すぎ! 私には無理。。。」
と思ったかもしれませんね。
確かに、日本の日本語学校の場合、1クラス最大
20人ですから、約2.5倍。
ですが、大規模クラスであれば大規模クラスなりの
クラス運営方法というものがあります。
もちろん、多少目が行き届かない部分が出てしまう
のは否めませんが、それでも工夫次第でいろいろ
できます。
というか、現地の先生方はそのような大規模クラスを
今も普通に運営なさっているわけですから、
赴任した時には、現地の先生方にそのやり方を学ぶ
といいですね。
それから、ネイティブ教師が任せられる授業で
おそらく最も多いのが会話の授業。
文法や語彙の授業は現地のノンネイティブ教師が
担うことが多いようです。
ですが、この辺りは教育機関によっても異なり
ますので、事前にしっかり情報収集をしておくと
いいでしょう。
私も、2018年はタイ(バンコク)、2019年はベトナム
(ハノイ)の日本語教育機関をいろいろと視察して
きましたが、
現地の先生方、文法の導入も会話活動もかなり手際
よく、てきぱきとしていました。
もちろん、学習者もノリノリ(笑)
ネイティブな皆さん、負けてられませんよ(^_^)