いい結果を残すための極意は、全て花咲か爺さんが教えてくれた。
ここ2回続いた寓話シリーズ。
寓話というのは、本当に深めれば深めるほど
この世の中でよりよく生きるためのエッセンス
を見つけることができます。
今回は、「花咲か爺さん」。
特に後半は、示唆に富むものがあります。
意地悪爺さんに臼を燃やされ、仕方なく
その灰を家に持って帰った心優しい爺さん。
ところが、庭に置いていたその灰が、風で
パーっと散ったかと思うと、
灰を被った庭の枯れ木に次々と梅や桜の花が
咲き始めた。
「なんと!まだ冬だというのに、まるで
春のような美しい景色だ。
これはおもしろい。ならば方々の枯れ木に
この灰を撒いて、
村中を花満開の景色にしよう。」
心優しい爺さんは、灰の入ったざるを持って、
家の外に飛び出し、
「枯れ木に花を咲かせましょう。」
と言って、周りの枯れ木に灰を撒き始めた。
すると、そこに殿様とご家来様が、通りかかった。
「枯れ木に花を咲かせるとはおもしろい。
目の前でやってみよ。」
「へい。」
心優しい爺さんは、枯れ木に登って、
「枯れ木に花を咲かせましょう。」
と言って灰を撒くと、みるみる花が咲き始めた。
「これはすばらしい。」
喜んだお殿様は、心優しい爺さんにたくさんの
褒美を与えた。
それを、陰で見ていた意地悪爺さんは、
それを羨ましく思い、自宅にあった残りの
灰をかき集めて、
「今度お殿様が通ったときは、俺様が花を
咲かせてやろう。」
と考えた。
数日たって、あのお殿様ご一行がやってきたので、
「日本一の花咲かじじい。枯れ木に花を咲かせま
しょう。」
と言って、勇んで列の前に飛び出した。
「ほほー、あの時の爺か。咲かせてみよ。」
意地悪爺さんは、目の前の木に登って、
「枯れ木に花を咲かせましょう。」
と言って、灰をそこら中にばら撒いた。
しかし、花が咲くどころか、灰は殿様やご家来様の
目や口に入り、
痛くて涙が止まらないわ、くしゃみが止まらないわ
で、大変な騒ぎになった。
怒ったお殿様は、
「お前は偽物の花咲か爺であろう。ふとどきなやつめ。」
意地悪爺さんはひもで縛られ、牢屋に連れていかれた。
◆ ◆ ◆
いかがでしたでしょうか。
ここで注目したいのは、心優しい爺さんも、
意地悪爺さんも、とった行動はまったく同じ
ということです。
同じ枯れ木に登り、同じ殿様の前で、同じ臼の灰を
撒いた。
しかし、結果は全く違いました。
その差は何でしょうか。
続きは、次回に。