バブル期の新卒ブランドを捨て敢て茨の道を進んだ男の話(その1)

おかげさまで、今の私は何とか大学職教員と、
(おかげさまで、四月から「教授」(^_^)v)

極小企業とはいえ、代表取締役という二足の
草鞋を履きながら、

日々、機嫌よく、調子よく、精神的にも
経済的にも快適に過ごさせていただいています。

巷では言われている「働かないおじさん」とは、
まったく無縁のワンダフルワールド(^_^)

ですが、昔からこんな状況だったわけでは
ありません。

社会人になってからも貧しいときはありました
し、

悔しい思いをしたことも、精神的に参ったとき
も数限りなくあります。

ストレスが原因で30代で狭心症になり、
ニトログリセリン(これ、爆薬の一種)を
舐めながら仕事をしていた時期もありました。

ですが、今思えば、それらは確かにその時は
なかなか大変ではあったわけですが、

その経験があったからこそ、ちょっとやそっと
ではへこたれない今の自分がある。

むしろ、地べたを這いつくばるような経験が
なかったら、ここまで辿り着くことはできな
かったと断言できます。

そもそも私が日本語教師になろうと思ったのは、
大学3年の終わり。

詳しくは、こちらを読んでいただくとして

私の日本語教師物語>学部のころ
https://www.kanjifumi.jp/about/column/001-2/

そんな折の大学4年の時、バブルがはじけました。

とはいえ、まだ日本の産業界にはそれほどの
深刻さはなく、

私の同期は、一部上場企業から3つも4つも
内定をもらっていました(さすが旧帝大。)

そんな中、私は一般企業への就職をせず、
日本語教師の道を選びました。

とはいえ、私のもともとの専門は教育哲学。
日本語教育はまったくの門外漢。

しかも、思い立ったのが3年の終わり。

3年次まで道元の『正法眼蔵』やら、
訳の分からないドイツ語の哲学書やらを
読んでいた男が、

4年次から、他学部で開講していた日本語教育
の授業を受け始めたわけです。

そんな状況でしたので、とても卒業までに
モノになるわけがない。

そこで私は、4年次に一旦出した卒論を
取り下げてもらい、

1年留年して日本語教育の大学院に進学する
ための準備をはじめました。

次々と大企業の内定を取っていた他の同期から
すれば、

「篠崎、お前何考えてんの?」

と思われていたに違いありません。

今のうちに大企業に滑り込んでおけば、
バブルがはじけても職に困ることはない。

普通に考えれば、誰でもそう思うはずです。

ですが、私はそう思わなかった。

というより、何も考えていなかったという
のが本当のところです。

事実、私が企業就職の道を選ばなかったのは
確たる信念があったからではなく、

なんとなく大企業への就職に気が引けたのと、
(自分に自信がなかったんですね。)

たまたま日本語教師という職に出会って、
たまたまそれに魅力を感じたから。
(一言で言えば、単なる偶然。)

当時、どう考えても大企業に就職したほうが
安定した生活が得られるのは明らか。

ただ、当時の私は

「いずれ組織ではなく個人の力が問われる時代
が来る。

だったら、努力次第でいくらでも個人の力を
伸ばせる仕事に就こう。

自分で自分の給料が決められる人間になろう。」

といった漠とした考えがありました。

とはいえ、退路を断ったし、日本語教育のことを
詳しく知っているわけでもなかったし、
内心、不安でいっぱいでした。

ですが、ここで踏ん張らなければ、本当に
アホです。落伍者です。

だから私は、同期を尻目に、

「今に見とれっ!絶対にいつかひっくり返してやる!」

と思いながら(別に自分が勝手に選んだ道なのにね)、

1年間、市立図書館に通いながら毎日院試の
勉強をしました。

来る日も来る日も、

「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」
「今に見とれっ!」

と、それはもう、念仏のように唱えながら
当時参考書に使っていた

『日本語教育ハンドブック』大修館書店
https://amzn.to/2waWayc

に赤線を引きまくったのを、今でも昨日の
ように覚えています。

ですが、誰もが進む道を選ばず、あえて
脇道に進み、

「今に見とれっ!」

と歯を食いしばって頑張った1年があったから
こそ、

「強烈なハングリー精神」

と、それを満たすための

「四の五の言わずに即行動する習慣」

を身につけることができたわけです。

おかげで、今の私は何をするにしても、

「人より余計に時間がかかるかもしれないが、
いつかは必ず成し遂げられる。」

という絶対的な自信を得ることができました。

もしも私が、あの時、誰もが進む大企業への
就職の道を選び、

ほどほどの仕事とほどほどの給料の中で生きて
いたら、

「強烈なハングリー精神」

など生まれようはずがありません。

少なくとも「働かないおじさん」と呼ばれても
反論のしようのない、しょぼい人生を送ってい
たに違いないのです。

そう考えれば、

「今に見とれっ!」

という歯ぎしりするような強烈に悔しい思いを
することは、

その時は、負け組のような悔しい思いに苛まれる
けれども、

長い人生で考えれば、人を成長させるうえで必要
不可欠なスパイスなのではないかと思うわけです。

逆に、大きな挫折の1つもない人生というのは、
一見いいように思うけれども、

実は、本気で人生に取り組むチャンスに恵まれ
ない、不遇な人生ともいえるわけです。

それを、若いうちに経験しておいてよかったと
今にして思います。

と同時に、

「あの時の自分の選択は大正解!」

と、今になってあの時の自分を全肯定できます。

続きは、次回に。


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