「怠る」と「サボる」はどう違う?-類義表現の分析法。
中級以上になると、語彙や文型も初級とは比べ物に
ならないくらい膨大になります。
旧日本語能力試験では、2級(今のN2)で語彙6000語、
1級(今のN1)で語彙10,000語でしたから、相当な
ものです。
従って、このレベルになると、語彙でも文型でも
似たようなものがたくさん出てくることになります。
もちろん学習者から、
「先生、●●と■■はどう違うんですか。」
といった質問がたくさん出てきます。
しかも、しっかり勉強している学習者であればあるほど、
「そうきたか!」
というような、切れ味鋭い質問をしてくるんですね。
この瞬間はまさに、教師としての腕が試されている
瞬間であり、
プロであれば、しっかり応えたいところですよね。
例えば、「怠る」と「サボる」。
どちらも、「やるべきことをやらない」という意味では
同じですが、どう違うんでしょうか。
「だいたい同じ。」
こんな回答は最悪(>_<)
プロ失格(>_<)
なぜなら、単純に学習者の質問に明確に答えていない
から。
とはいえ、国語辞書を引いても両語の違いなどちゃんと
書いているはずもなく、
類義語辞典で調べれば、多少は違いが述べられている
かもしれませんが、どれも釈然としない。
こういう時は、日本語教師自ら用例を集めて意味・用法
を分析するしかありません。
とはいえ、やたらめったらに用例を集めても、労多くして
益少なし。
そこで、然るべき方法論が必要になるわけですね。
今回の場合は、それぞれの語彙の前にどんな語彙が来るか
を考えればいい。
「 を怠る」
 ̄ ̄ ̄
「 をサボる」
 ̄ ̄ ̄
この下線部に入る名詞をいろいろ考え、分析すればいいわけ
です。
まずは、自分で各下線部に入る名詞を10ずつあげて、両語の
違いを考えてみてください。
実は、この問題、過去の検定試験に出題されました。
検定試験対策としても重要ですし、こうした分析力は何より
教育現場で非常に重要。
そう考えると、検定試験は指導法の宝庫なんですね。
答えは下の動画で解説しています。
ぜひ、ご覧ください。
「2019年基礎固めセミナー」試験III類義表現の分析法
https://youtu.be/Dh-uDQz3bQc