「総合的対応策(改訂)」を読む(12)。
「総合的対応策(改訂)」を読む。
今回は、12回目。
「総合的対応策(改訂)」とは、下記報告書
を言います。
「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(改訂)」
http://www.moj.go.jp/content/001311603.pdf
今回は「II 施策」のうち、
「3 生活者としての外国人に対する支援」
の5回目。
「(5) 留学生の就職等の支援」
です。
2020年までに30万人の留学生を受け入れるとする
「留学生受入れ30万人計画」
も、2年前倒しで達成され、今や30万人以上の留
学生が日本で学んでいます。
彼らは、日本のよき理解者であり、将来の日本の
産業の一端を担う貴重な戦力です。
それだけに、彼らにとって魅力的な国にすること
が、日本の発展につながると言えるかもしれません。
弊社も、優秀な留学生を積極的に採用したいと
考えています。
そうすれば、海外展開もしやすいですしね(^_^)
それでは、早速見ていきましょう。
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(5) 留学生の就職等の支援
【現状認識・課題】
留学生は、我が国の教育機関における教育を通じて高度な
専門性や日本語能力を身に付けるのみならず、
その留学期間中、日本人学生や地域住民と様々な形で交流
することを通じて我が国を深く理解してくれる貴重な人材
である。
こうした留学生が、就職できず失意の下に帰国するという
ようなことはできる限り避けるべきであるところ、
既に平成 28 年6月の「日本再興戦略」において留学生の
日本国内での就職率を現状の3割から5割に向上させるこ
とを目指すこととされたが、
実際の就職率は 32%(大学、短大、高専、専修学校等を
修了した留学生の平成 29 年度実績。うち大学(学部・院)
を卒業・修了した留学生の平成 29 年度実績は 35%。なお、
平成 28 年度実績は、それぞれ 31%、36%)にとどまって
おり、抜本的な対策が必要な状況にある。
このため、留学生の就職を容易にするための在留資格の見
直しを行うとともに、
各大学における留学生の取扱い、各企業における就職活動
の在り方やその後の育成を含めて、幅広い対策を講ずるこ
とが必要である。
また、今後、介護分野の留学生や介護分野で働く外国人が
増加することが見込まれることから、
それらの外国人に対してより適切な支援を図る必要がある。
【具体的施策】
○ 日本の大学・大学院を卒業・修了した留学生の就職支
援に向けた特定活動告示(第46号)の周知を行う。
〔経済産業省、厚生労働省、法務省〕《施策番号 100》
○ 大学等の秋卒業者の国内就職を促進するため企業等の
通年採用が促進されるように取り組むとともに、
就職が内定した留学生に対し、採用までの間本邦に滞在す
ることを認めている「特定活動」の企業等への周知を行う。
〔法務省、経済産業省〕《施策番号 101》
○ 本年 11 月、「日本料理海外普及人材育成事業」の拡
充により、名称が「日本の食文化海外普及人材育成事業」
と改められるとともに、
調理又は製菓の科目を専攻して専修学校の専門課程を修了
する等した留学生が就職できる業務の幅が拡大され、
日本料理に加え、その他の料理や製菓についても対象とさ
れたことを受け、
本事業の適正な運用を行いつつその普及を図る。
〔法務省、厚生労働省、農林水産省〕《施策番号 102》
○ 留学生による我が国での起業の円滑化を図るべく、「外
国人起業活動促進事業」に関連する制度・運用の拡充をは
じめとした、
入国・在留管理等に係る制度・運用の見直し等を進め、令
和元年度中に結論を得る。
〔法務省、経済産業省〕《施策番号 103》
○ 一定の条件を満たす中小企業等への留学生の就職を支
援するため、
厚生労働省のユースエール認定制度の認定企業を対象と
して、留学生が在留資格変更許可申請を行う際に必要と
なる各種提出書類について、
大企業と同様の簡素化を図ったところ、在留諸申請手続き
における更なる提出書類の簡素化について引き続き検討を
行う。〔法務省、経済産業省〕《施策番号 104》
○ 大学が企業等と連携し、留学生が我が国での就職に必
要なスキルである「ビジネス日本語」等を在学中から身に
付ける教育プログラムを策定し、
これを「留学生就職促進履修証明プログラム(仮称)」と
して文部科学省が認定し、留学生の国内企業等への就職に
つなげる仕組みを全国展開する。
認定大学には、留学生の就職率についての達成目標の設定
を求める一方で、奨学金の優先配分等の支援を検討する。
スーパーグローバル大学創成支援事業の採択大学について
も、同プログラムに原則として参加することとする。
また、優秀な留学生の掘り起こし、日本語指導、国内企業
とのマッチング等、
総合的な受入れモデルを構築する専修学校における取組を
支援しているところ、
これらの取組によって得られた教育プログラム等に関する
成果を公表して広く情報共有する。
これらの取組により、大学・専修学校、企業、地方公共団
体等の連携の下、
留学生を国内企業への就職につなげる仕組みの構築を推進
する。〔文部科学省〕《施策番号 105》
○ 文部科学省が認定する、留学生がビジネス日本語等を身
に付けるための教育プログラム「留学生就職促進履修証明
プログラム(仮称)」について在学中のみならず、
企業への内定後や大学卒業後をフォローアップする教育プ
ログラムについても認定することとして、更なる活用促進
を図る。〔文部科学省〕《施策番号 106》
○ 我が国を訪れる外国人が日常生活、職場等で使用できる
日本語を学習できるよう、日本放送協会(NHK)が、提
供する日本語教育コンテンツについて、
対象言語の拡大や過去のコンテンツの有効利用の促進、ウェ
ブサイトの充実等を進める。
また、関係機関(在外公館、地方公共団体、教育機関、関
係省庁等)において、必要に応じ当該コンテンツの利用拡
大に向けて、
我が国を訪れる外国人やその受入れ企業等に対し周知を実
施する。<再掲>〔総務省、経済産業省等関係省庁〕《施
策番号 83》
○ 大学等における就職率等の情報開示等の取組を集約し、
効果的に発信するため日本学生支援機構の特設サイトにお
いて、
大学等の情報の掲載を進めるとともに、就職支援の取組や
就職状況に応じて教育機関に対する奨学金の優先配分を行
う。〔文部科学省〕《施策番号 107》
○ 留学生の国内就職の促進のため、留学の在留資格から
就労関係の在留資格変更手続の簡素化等を行うことを踏ま
え、
大学等の進路相談等において留学生の在留資格の変更に対
する支援が効果的に行えるよう、
法務省、文部科学省と大学等が連携し、研修会(意見交換)
を行う。〔法務省、文部科学省〕《施策番号 108》
○ 留学生の採用時に高い日本語能力(例えば日本語能力
試験N1相当以上)を求める企業もみられるが、
業務に必要な日本語能力のレベルは企業ごとに様々であり、
採用時に求める日本語能力水準には多様性がある。
こういった実態を踏まえ、関係省庁、産業界、支援事業者、
大学等の連携により策定する留学生の多様性に応じた採用
選考や
選考後の柔軟な人材育成・処遇等に係るチェックリストや
ベストプラクティス等について、関係省庁の各種制度や施
策と連携し、横展開していく。
また、同チェックリスト等に基づく留学生向けの取組につ
いて、企業や大学等からの情報発信を促すため、
関係省庁から経済団体や大学等への周知を徹底していく。
〔経済産業省(厚生労働省、文部科学省等関係省庁)〕
《施策番号 109》
○ 「高度外国人材活躍推進プラットフォーム」を日本貿
易振興機構(JETRO)に立ち上げたことを受け、
関係省庁連携の下、企業と留学生を含む高度な知識・技能
を有する外国人材の双方に分かりやすい関連施策情報等、
各種情報発信の充実を図る。
また、専門家による中堅・中小企業への伴走型支援を通し
て、留学生を含む高度外国人材の採用ニーズが高まってい
る地方企業に対しても
就職から活躍までのきめ細やかな支援を迅速かつ効率的に
提供するために、専門家を全国に配置する。
さらに留学生を含む高度外国人材が企業に就職した後の活
躍を促進するために必要な企業における取組の在り方を検
討し、その普及・定着を図る。
〔経済産業省〕《施策番号 110》
○ ハローワークの「外国人雇用サービスセンター」や「留
学生コーナー」を地域の拠点として、担当者制によるきめ
細かな相談・支援を行うほか、
地方企業、地方公共団体、JETRO等関係機関と連携し、
インターンシップの充実や留学生向け求人の掘り起こし、
就職ガイダンス等のセミナー、合同企業説明会の開催等に
取り組むことで、留学生と企業の更なるマッチングの推進
を図る。
また、上記拠点において、地方公共団体が設置する一元的
な窓口と必要な連携を図る。
〔厚生労働省、経済産業省〕《施策番号 111》
○ 入学を志願する留学生向けの情報提供を促し、国内企
業のニーズに応じた留学生の受入れを促進するため、
海外において、関係機関との連携により、卒業後の我が国
での就職等のキャリアパスをはじめとした日本留学の魅力
について統合的な発信を図る。
〔文部科学省〕《施策番号 112》
○ アジアの優秀な理系分野の人材の環流促進を目指すイ
ノベーティブ・アジア事業では、関係機関との連携強化を
図り、
「高度外国人材活躍推進プラットフォーム」の活用、イン
ターンシップのマッチング及び日本企業での就職に関心を
持つものを対象とした
国内外でのジョブフェア等の情報提供を実施する。
〔外務省、法務省、経済産業省、文部科学省〕《施策番号
113》
○ 介護施設等が行う外国人介護人材の技能向上のための研
修や、外国人を対象に行う研修の講師養成等を行うほか、
留学生を含む介護福祉士養成施設に在学する学生に対し、
資格取得後に一定期間介護業務に従事した場合に返済免除
となる修学資金の貸付けを行う事業を更に推進する。
また、我が国の大学等に在籍する留学生で、学業・人物と
もに優れ、経済的理由により修学継続が困難な学生等を対
象とした給付型の奨学金事業において、
今後の介護分野における推薦状況を踏まえつつ、支援を推
進する。〔厚生労働省、文部科学省〕《施策番号 114》
○ 留学生と企業が接触する機会となるインターンシップの
促進に向けて、活動内容や在留資格手続に係るガイドライ
ンの見直しを行うとともに、
留学生の日本での就労に必要となる手続について、モデル
ケースの提示やフローの見える化を図る。
また、適切な手続方法について大学や企業等に広く周知す
る。〔法務省、文部科学省、経済産業省〕《施策番号 115》
○ 外国人共生センター(仮称)を拠点にインターンシッ
プに係る説明会やセミナー等を通じ、
企業における留学生や海外からのインターンシップの受入
れ促進を図る。 〔法務省、厚生労働省、経済産業省〕
《施策番号 116》
○ 「特定活動」の在留資格により認められるインターン
シップについて、その対象となる外国の学生の要件や活動
内容、制度の趣旨を明確にするとともに、
より一層適正な制度の利用促進を図るためにガイドライン
を策定する。〔法務省〕《施策番号 117》
○ 総合的対応策による取組を踏まえ、留学生の国内就職
関連情報について在外公館を通じ情報発信を行う。
〔外務省〕《施策番号 118》
○ 外国人留学生等を対象とした、職場定着のためのコミュ
ニケーション能力の向上や雇用慣行等に関する知識の習得
を目的とした研修を実施するとともに、
研修事業の知見を基に職場定着のための研修モデルカリ
キュラムを作成する。
さらに、モデルカリキュラムやベストプラクティス等を活
用して、事業主向けセミナー等を通じ、
事業主や職場の上司等の職場における効果的なコミュニ
ケーションの方法を周知する。〔厚生労働省〕《施策番号
119》
○ 事業主と外国人労働者の意思疎通を促進し、外国人労
働者の職場定着のための事業主の取組を支援するため、以
下の措置を講ずる。
・ 労働条件等に関する事業主と外国人労働者の間のトラ
ブルの発生予防に資するよう、
労働契約等で使用頻度の高い単語や例文を各国語に翻訳し
た多言語辞書を作成し、事業主や外国人に周知する。
・ 外国人が自らの労働条件等を十分に理解し、適正な待
遇の下で安心・納得して就労を継続し、
その能力を発揮することができるよう、外国人特有の事情
に配慮した事業主の雇用管理改善の取組に対する助成措置
を新設する。
・ 外国人就労・定着支援研修事業の知見を基に外国人労
働者の職場定着のための研修のモデルカリキュラム(仮)を
作成し、外国人を雇用する企業等へ周知する。
〔厚生労働省〕《施策番号 120》
○ キャリアコンサルタント向け講習等を通じ、留学生や
企業実務(ダイバーシティ経営等)等に精通したキャリア
コンサルタントの育成を行う。〔厚生労働省〕《施策番号 121》
○ 元留学生等の外国人社員を含め企業内におけるキャリア
コンサルティングを積極的に実施することにより、
外国人材の活躍や定着につなげる企業の事例を取りまとめ、
周知を行う。〔厚生労働省〕《施策番号 122》
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「本当にこんなにするの?できるの?」
思わずそう言ってしまうほど、盛りだくさん
てんこ盛りの内容です。
こうした青写真が、これからどう実現していくか
動向を注視していきたいと思います。
皆さんは、どうお考えになりましたでしょうか。