「総合的対応策(改訂)」を読む(8)。
「総合的対応策(改訂)」を読む。
今回は、7回目。
「総合的対応策(改訂)」とは、下記報告書
を言います。
「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(改訂)」
http://www.moj.go.jp/content/001311603.pdf
今回は「II 施策」のうち、
「3 生活者としての外国人に対する支援」
の1回目。
「(2) 生活サービス環境の改善等」
を2回にわたって扱います。
私たちも海外に行って一番心配するのは
やはり医療・保険ではないでしょうか。
「近くに病院はあるのか。」
「ちゃんと診療してくれるのか。」
そもそも言葉がなかなか通じないわけですから、
「自分の病状をちゃんと医者に伝える
ことができるか。」
心配事は尽きません。
特に小さいお子さんがいる場合ならなおさら。
そんな時、国や行政からしかるべきサポートが
あれば、どれだけ安心できるでしょう。
同じように、日本も外国人を生活者として受け入れ
るのであれば、
そういった方面のサービスをしっかり充実させる
必要がありますね。
では、早速続きを見ていきましょう。
==========================
(2) 生活サービス環境の改善等
1.医療・保健・福祉サービスの提供環境の整備等
【現状認識・課題】
医療機関を受診する外国人の増加を踏まえ、外国人にとっ
ての医療機関の利便性の向上等、
外国人が安心して医療サービス等を受けることができる環
境の整備を図ることが必要である。
他方、外国人に医療費の支払能力がないため医療機関が負
担している場合もあることから、
外国人が就労する事業所における民間保険及び訪日外国人
旅行者を対象とする旅行保険への加入も促進する必要があ
るほか、
予防接種や入国前の健康状態の確認等の感染症対策も進め
る必要がある。
あわせて、外国人が生活に困窮した際の相談等の福祉サー
ビスに係る環境の整備を進めることも必要である。
【具体的施策】
○ 電話通訳及び多言語翻訳システムの利用促進、外国人患
者受入れに関するマニュアルの整備、
都道府県内の多様な関係者が連携し地域固有の事情を共有・
解決するための対策協議会の設置等を通じて、
全ての居住圏において外国人患者が安心して受診できる体制
の整備を進める。〔厚生労働省〕《施策番号 55》
○ 地域の外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関における
医療通訳者や医療コーディネーターの配置、
院内の多言語化に係る支援等を通じ、外国人患者受入れ環境
の整備を進める。〔厚生労働省〕《施策番号 56》
○ 医療機関における多言語対応のため、外国人患者等の受益
者の適切な費用負担の下、
電話通訳の利用促進を図り、全ての医療機関における外国語対
応を推進する。
通訳・翻訳に係る費用を患者に請求できることを知らない医療
機関もあることから、
これらの費用を請求することも可能であることを引き続き周知
する。〔厚生労働省〕《施策番号 57》
○ 既に作成済みの「医療通訳育成カリキュラム・テキスト」
を必要に応じて改訂し、医療通訳の養成の促進及び質の向上を
図るとともに、
「医療通訳認証の実用化に関する研究」により、医療通訳の質
の向上を図る。〔厚生労働省〕《施策番号 58》
○ 都道府県が公表する薬局に関する情報について、現在実施
中の調査を踏まえ、
全国統一的な検索サイトを構築し、外国語対応やスマートフォ
ンでの検索への対応を含め、情報提供の充実を図る。
〔厚生労働省〕《施策番号 59》
○ 過去に医療費の不払等の経歴がある外国人観光客に対し、
厳格な審査を実施することにより、新たな医療費の不払いの発
生を抑止する。
高額の医療費に係る未収金の発生等を踏まえ、キャッシュレス
決済等による医療費の円滑な支払確保等を推進する。
特に、特定技能外国人の受入れに当たっては、法務省が作成す
るガイドライン等を周知することにより、特定技能1号外国人
を雇用する事業所に対し、
医療通訳雇入費用等をカバーする民間保険への加入を推奨する。
〔厚生労働省(経済産業省)、法務省〕《施策番号 60》
○ 外国人についても、引き続き、予防接種法に基づく定期接種
の接種率の向上を図るとともに、風しんに関する追加的な対策の
対象とする。
また、我が国に中長期間滞在することとなる外国人に対し、我
が国への入国前に自国において麻しん・風しんの予防接種歴等
の確認を行うことが望ましい旨を多言語(13 か国語)で周知
するほか、
まずは、結核について、適切に入国前のスクリーニングを実施
するなど、感染症対策の取組を進める。
〔厚生労働省、法務省、外務省〕《施策番号 61》
○ 訪日外国人旅行者が、予期せぬ病気やけがの際に、不安を感
じることなく医療等を受け、安全に帰国することができるよう、
訪日外国人旅行者自身の適切な費用負担を前提とした旅行保険
への加入を促進する。
〔観光庁、金融庁、法務省、外務省〕《施策番号 62》
○ 外国人子育て家庭や妊産婦が、保育施設、保健・医療・福
祉等の関係機関を円滑に利用できるよう、
市町村が実施する「利用者支援事業」における多言語対応を促
進し、
外国人子育て家庭からの相談受理、子育て支援に関する情報提
供等の取組について、引き続き推進する。
また、保育施設における外国人乳幼児の円滑な受入れ支援に引
き続き取り組む。
〔内閣府(子ども・子育て)、厚生労働省〕《施策番号 63》
2.災害発生時の情報発信・支援等の充実
【現状認識・課題】
在留外国人の増加に伴い、災害発生時における外国人に対する
災害そのものや被災者の生活支援、気象に関する情報提供等が
重要性を増している。
また、大規模災害が発生した際には、在留外国人の安否確認等
に困難が伴うことから、
在京大使館、関係省庁、地方公共団体等の間における円滑な情
報連絡体制の構築も必要となる。
【具体的施策】
○ 外国人が必要とする防災・気象情報に容易にアクセスできる
よう、防災・気象情報に関する多言語辞書の作成(11 か国語)、
当該 11 か国語多言語辞書の「Safetytips」への反映及び気象庁
ホームページの多言語化(11 か国語)を進めたところであり、
これらについて、さらに対応言語を 14 か国語に拡大するととも
に、民間事業者のウェブサイトやアプリ等を通じた防災・気象情
報の多言語化を推進する。
こうした対応等について、多言語化を進めている出入国在留管
理庁ホームページにおいて日本語を解さない人でも理解できる
ような案内を掲載するとともに、
「特定技能」の在留資格に基づく外国人材の受入れ機関、登録支
援機関等を通じて、周知・普及促進を図る。
〔内閣府(防災担当)、法務省、総務省、国土交通省〕《施策番
号 64》
○ 災害時に行政等から提供される災害や生活支援等に関する情
報を整理し、避難所等にいる外国人被災者のニーズとのマッチン
グを行う「災害時外国人支援情報コーディネーター」について、
令和2年を目途に都道府県及び指定都市での配置が可能となる
よう、養成研修を平成 30 年度から実施する。
〔総務省〕《施策番号65》
○ 災害発生時の在日大使館等との連携強化を図るため、在日
大使館等を対象とする防災施策説明会を実施する。
また、災害時における関係省庁の情報提供ウェブサイト等を自
国民に対して周知するよう要請する。〔外務省〕《施策番号 66》
○ 外国人からの 119 番通報や外国人のいる救急現場での活動
等に迅速・的確に対応できるよう、
電話通訳センターを介した同時通訳の体制整備を進める。
外国人のいる救急現場での活動等に迅速・的確に対応できる
よう、
外国人傷病者とのコミュニケーションを支援する多言語音声
翻訳アプリの消防本部への導入の促進を図る。
〔総務省〕《施策番号 67》
============================
巷では高速データ通信【5G】の話題が高まっていますが、
これが広く普及すれば、
上記のような施策も今までよりもより効率的かつスピーディに
実現されるのかもしれません。
時代に取り残されないよう、いや、むしろ先取りできるよう
私たちもこうして最新の情報に触れることが大切ですね。