「総合的対応策(改訂)」を読む(6)。
「総合的対応策(改訂)」を読む。
今回は、6回目。
「総合的対応策(改訂)」とは、下記報告書
を言います。
「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(改訂)」
http://www.moj.go.jp/content/001311603.pdf
今回は「II 施策」のうち、
「2 外国人材の円滑かつ適正な受入れの促進に向けた取組」
の3回目。
「(4) 海外における日本語教育基盤の充実等」
を扱います。
ここでは、何回も「国際交流基金」という言葉が出てきます。
国際交流基金は、外務省の外郭団体で日本語能力試験(海外)
を実施したり、
海外のノンネイティブ日本語教師を日本に招いて、教師研修を
したり、
さらには、3年に1回、「海外日本語教育機関調査」を実施
したり、
(最新の調査結果はこちら。検定試験必必出です。
https://www.jpf.go.jp/j/about/press/2019/029.html)
とにかく海外の日本語教育を一手に引き受けている団体です。
また、本文中に出てくる「国際交流基金日本語基礎テスト」
は、日本で働く外国人のために作られた日本語テストで、
主に技能実習生や特定技能の外国人の日本語力の測定に
活用されると思われます。
こちらも今年の検定試験最有力候補。
紹介サイトもありますので、こちらも目を通しておくと
いいでしょう。
国際交流基金日本語基礎テスト
https://www.jpf.go.jp/jft-basic/
では、早速続きを見ていきましょう。
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(4) 海外における日本語教育基盤の充実等
【現状認識・課題】
外国人材に対する需要が高まる中、各国において日本語
能力を有する有為な人材が持続的に輩出されるようにす
るためには、
現地における日本語教育の充実を図ることが必要であり、
日本語能力を適切に測ることのできる試験の実施、適切
なカリキュラムと教材の開発、
日本語教師の育成と現地への専門家派遣等を通じた体制
整備を進める必要がある。
また、特定技能制度について、適切な情報を国外におい
て広報する必要がある。
【具体的施策】
○ 日本国内での生活・就労に必要な日本語能力を、外国
語能力判定の国際標準を踏まえつつ確認できるテスト
として、
国際交流基金において、日本語能力試験の開発・実施で
培った知見を活用して新たに開発したCBT(Computer
Based Testing)形式による「国際交流基金日本語基礎
テスト(JFT-Basic)」を、
人材受入れのニーズ等を踏まえ実施を推進する。
〔外務省〕《施策番号 32》
○ 「特定技能」の在留資格に基づく外国人材の受入れに
当たって必要となる日本語教育を現地で効果的に行える
ようにするため、
国際交流基金が作成した、言語教育・評価の国際標準に
準拠した「JF日本語教育スタンダード」を活用しつつ、
成人教育を念頭においたカリキュラムと教材の開発及び
普及を進める。〔外務省〕《施策番号 33》
○ 現地語を使いながら日本語を教えることができる現地
教師の確保・拡大が不可欠であることから、
日本からの日本語教育の専門家を派遣し、開発したカリ
キュラムと教材を活用しつつ、
効率的・効果的な日本語教育活動が可能な現地教師の育
成を進める。〔外務省〕《施策番号 34》
○ 各国において外国人が日本語を学べる場を増やすこと
を目的として、
現地の日本語教育機関の活動に対して支援(教材調達、
教師の確保等)するとともに、現地教師の日本語の会話
能力の向上をサポートし、
日本語教育の質を上げるため、日本人支援要員を養成・
派遣し教育機関への巡回指導・支援を行う。
〔外務省〕《施策番号 35》
○ 日本への入国・在留者が増加している東南アジア諸国に
加え、他の国々においても、
将来にわたって、我が国における生活・就労を希望する
外国人材が輩出されるよう、
国際交流基金の日本語教育事業を通じて、より多くの国
で日本語教育基盤の強化を図る。〔外務省〕《施策番号 36》
○ 特定技能制度の円滑な運用のため、人材受入れのニーズ
の高い国の言語による広報動画及びパンフレットの作成
等を行い、
送出し国の政府及び関係機関、本件制度利用希望者に対
し、正確かつ効果的な広報を行う。〔法務省、外務省、
厚生労働省〕《施策番号 37》
○ 就労を希望する外国人や外国人の雇用を希望する企業に
対して、効果的に特定技能制度を周知する観点から、
在外公館と連携しつつ、海外(地方都市を含む)におい
て、
外国人本人や送出機関等を対象に特定技能制度に係る説
明会を分野所管省庁とともに実施する。
あわせて、国内においても、地方都市を巡回し外国人本人、
受入れ企業等対象別に説明会を分野所管省庁とともに開催
する。〔法務省、外務省〕《施策番号 38》
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文面を読む限りにおいては、かなり精力的に海外活動を
展開するようです。
この方針が実働すれば、今後、国際交流基金が窓口となって
日本人支援要員の募集、事前研修、派遣が活発に行われる
ようになると思われます。
イメージとしては、日本語パートナーズの日本語教育専門家版
といったところでしょうか。
日本語パートナーズは、あくまでも現地教師のアシスタントと
いった位置づけですが、
日本語パートナーズ
日本人支援要員は、相応の専門知識とリーダーシップが
求められるのではないかと思います。
今のうちに準備しときます?