「総合的対応策(改訂)」を読む(3)。

「総合的対応策(改訂)」を読む。

今回は、その3回目。

「総合的対応策(改訂)」とは、下記報告書
を言います。

「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(改訂)」
http://www.moj.go.jp/content/001311603.pdf

今回は「II 施策」の第1回目。

「1 外国人との共生社会の実現に向けた意見聴取・啓発活動等」

を取り上げます。

では、早速見ていきましょう。

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II施策

1 外国人との共生社会の実現に向けた意見聴取・啓発
活動等

(1) 国民及び外国人の声を聴く仕組みづくり

【現状認識・課題】

外国人との共生社会を実現するためには、共生施策として
いかなる施策が必要とされるかを的確に把握することが必
要であり、

そのためには、国民及び外国人の双方の意見に耳を傾け、
それらの意見を共生施策の企画・立案に適切に反映させる
仕組みを構築するとともに、

外国人が抱える問題等についての客観的なデータを収集し、
これに基づき検討を行っていくことが必要である。

【具体的施策】

○出入国在留管理庁に設置した「『国民の声』を聴く会」
や各地方出入国在留管理官署が開催している「出入国管理
行政懇談会」等において、

引き続き地方公共団体、企業、外国人支援団体等幅広い関
係者から、共生施策の企画・立案に資する意見を聴取する。

特に、地方公共団体と継続的な意見交換を行うことや外国
人個人の意見を聴取することに配意する。

また、全国に配置されている受入環境調整担当官の体制整
備を図る。

これらの取組により、出入国在留管理庁の外国人材の受入
れ環境整備に係る総合調整機能を強化し、引き続き、十全
に発揮していく。〔法務省〕《施策番号1》

○外国人が抱える職業生活上、日常生活上、社会生活上の
問題点を的確に把握し、

外国人材の受入れ環境整備に関する施策の企画・立案に資
するよう、「外国人住民調査」を参考としつつ、

外国人に対する基礎調査を実施する。〔法務省〕《施策番
号2》

○在留外国人の増加等に対応した外国人材の受入れ政策や
多文化共生施策の推進のため、

それら政策・施策に関する研究・情報の効率的な集約・分
析等の在り方について検討する。〔法務省〕《施策番号3》

(2) 啓発活動等の実施

【現状認識・課題】

外国人との共生社会を実現するためには、外国人との共生
の必要性や意義についての国民の幅広い理解が必要である。

同時に、言語、宗教、慣習等の違いに起因する様々な問題
の発生が懸念されることから、

それらの防止や被害が生じた場合の対応についても重要な
課題である。

そのため、各種啓発活動を推進し、外国人との共生につい
ての地方公共団体や企業、地域コミュニティ等の意識の向
上を図るとともに、

法務省の人権擁護機関における人権相談等の取組の周知を
図る必要がある。

【具体的施策】

○外務省においては、国際移住機関等との共催による「外
国人の受入れと社会統合に関する国際フォーラム」を開催
し、

海外の有識者による海外の先進事例の紹介を行うとともに、
地方公共団体等の国内関係者によるパネルディスカッション
を通して、日本人の意識啓発を行い、

外国人の受入れ施策を講ずるための知見を得る機会とする。
〔外務省〕《施策番号4》

○政府全体としての「外国人労働者問題啓発月間」(毎年
6月)において、

関係省庁が緊密な連携を図りつつ外国人労働者問題に関す
る啓発活動等を行う。〔法務省、厚生労働省、警察庁等関
係省庁〕《施策番号5》

○法務省の人権擁護機関において、外国人を含む全ての人
が互いの人権を大切にし、支え合う共生社会の実現を図る
ため、各種人権啓発活動を実施する。
〔法務省〕《施策番号6》

○ 日本語を含めて 11 か国語で多言語対応している法務
省の人権擁護機関における人権相談や調査救済手続につい
て、

引き続き外国人が多く利用するコミュニティサイト等の媒
体に広告を多言語で展開するなどして、

人権問題が生じた場合に外国人が幅広く安心して利用でき
るよう更なる周知を図る。〔法務省〕《施策番号7》

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日本人や外国人のニーズに応えながら、同時に啓蒙活動に
力を入れていく、というのがその趣旨と言えます。

やはり相互理解をいかに充実させていくかということは
非常に重要なことで、

他の国を見てみると、最初は多文化矯正を謳いながらも

特に景気が悪くなると、どうしても国民vs移民のような
対立的な構図になってしまうことが多いようです。

そこは何としても避けなけたいところですね。

もちろん、上記のように人権に対する十分な配慮という
ものも重要です。

また、本文中に「出入国在留管理庁」という言葉が出て
きました。

これは、旧入国管理局が2019年に現在の形に格上げに
なったもので、日本人/外国人の出入国管理を司る部署
です。

今後は、在留管理の適正化がどんどん図られ、それに
つれて出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正が
頻繁になされるだろうと予想されます。


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