再掲!「説明型授業」ではなく「質問型授業」(1)
おかげさまで、先日リリースしたセミナー動画
篠研の日本語の教え方セミナー
「学習者が前のめりになる質問型授業
-説明してちゃダメなんです!-」
https://www.kanjifumi.jp/sitsumongata_doga/
いい感じで売れています(^_^)
この質問型授業は、ひとたびそのスキルをマスター
すれば、
▼学習者は授業にどんどん乗ってくるし、
▼学習効果もどんどん上がるし、
▼教師もゆとりを持って、授業を楽しめ、
▼しかも、授業準備の負担も減っていく。
という優れもの。
ぜひ、1人でも多くの方に質問型授業を知って
いただきたい。
そこで、動画リリース記念といたしまして、
昨年本メルマガで4回シリーズでお送りした
「説明型授業」ではなく「質問型授業」
を再掲いたします。
楽しんで読んでくださいね(^_^)
以下、(1)。
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経験の浅い日本語教師が陥りがちなのが
「説明型授業」。
文字通り、教師が語彙の意味や文型の使い方
などについて懇切丁寧に説明するスタイルの
授業のことです。
例えば、テキストに「自由」という新出語彙
が出てきたとします。
「説明型授業」だとこんな感じになるでしょう。
教師:はい、「自由」というのは、これこれこういう
意味で、例えばこんな例文ができますね。
この例文の意味は、これこれこういう意味です。
また、「自由」にはこれこれこういう意味も
あって、
その時は、例えばこんな例文もできますね。
この言葉を使う時は、これこれこういう点に
注意してくださいね。
学生A:先生、今の説明の●●●の意味は何ですか。
教師:あっ!ちょっと難しかったですか。
●●●の意味は、これこれこういう意味です。
分かりましたか。
学生B:先生、さっきの説明の▲▲▲がよくわかり
ません。もう一度お願いします。
教師:えっ!よくわかりませんでしたか。
▲▲▲はこれこれこういう意味です。
分かりましたか。
学生C:先生、×××がよくわかりません。
どういう意味ですか。
教師:あー、それは先生も分りません。
次の授業までに調べてきますね。
(以下、同様)
そして、教師とのやり取りに参加しない学生は、
ほどなく深い眠りにつく(合掌(笑))。
この授業、どう思いますか。
「学習者の質問が活発ないい授業だ。」
そう思いますか。
では、ここで質問です。
今のやり取りで、頭をフル回転させて
いるのは、教師ですか、学習者ですか。
今のやり取りで、日本語についてあれこれ
考えているのは、教師ですか、学習者ですか。
答えは、教師です。
学習者は何も考えていません。
ただ、「答えちょうだい。答えちょうだい。」
と言っているだけです。
それで、日本語力がつきますか。
しかも、授業の主導権は明らかに学習者。
(先生、何やってんの?)
日本語の授業で、教師の日本語力がスキルアップ
しても、何の意味もないのです。
教師の知識を学習者にひけらかしたって、それは
たんなる自己満足でしかないのです。
「説明型授業」の弊害は、大きく2つあります。
1.教師の授業準備が膨大になる(やってもやっても
終わりがない)。
2.学習者の日本語力が上がらない(むしろ下がる)。
最悪じゃないですか。
長くなりそうなので、続きは次回に。