「日本語教育能力の判定に関する報告(案)」を読む(4)
先日、文化庁から発表された
「日本語教育能力の判定に関する報告(案)」
https://bit.ly/33JfmP9
を読む。
第4回の今日は、その本丸である
「日本語教育能力の判定に関する報告(案)」
(令和元年11月8日国語分科会)
https://bit.ly/2qTVBFZ
の3回目です。
前回、
「1.資格制度の枠組み」
と書きましたが、すみません
「2.資格制度の枠組み」
の誤りです。
お詫びして訂正いたします。
さて、気を取り直して。
今回は、
「3.資格取得要件1:試験」
について読んでいきます。
とても気になる部分ですよね。
では、早速。
「(1)受験資格」
ここでは、下記の文言が掲げられています。
○受験資格は設けないこととする。
例えば,大学在学中に受験・合格し,大学卒業と同時に,
資格取得要件を満たした上で,登録することは可能とする。
これは、大学関係者からすればありがたい話です。
我が別府大学にも日本語教員養成課程がありますが、
在学中に検定試験に合格できれば、実習(なんと週2
コマ。しかも通年。)との合わせ技で、卒業と同時に
有資格者になれる可能性があります。
また、学歴を満たさない社会人の方も、ひとまず試験に
合格し、その後学士の資格を取るという方法もとれる
わけですね。
次の、
「(2)内容」
では、
「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」
https://bit.ly/2rQltD5
に掲げられた「必須の教育内容」に基づくと前置きした上で
下記の内容がリストアップされています。
<必須の教育内容>
(1)世界と日本の社会と文化
(2)日本の在留外国人施策
(3)多文化共生
(4)日本語教育史
(5)言語政策
(6)日本語の試験
(7)世界と日本の日本語教育事情
(8)社会言語学
(9)言語政策と「ことば」
(10)コミュニケーションストラテジー
(11)待遇・敬意表現
(12)言語・非言語行動
(13)多文化・多言語主義
(14)談話理解
(15)言語学習
(16)習得過程
(17)学習ストラテジー
(18)異文化受容・適応
(19)日本語の学習・教育の情意的側面
(20)日本語教師の資質・能力
(21)日本語教育プログラムの理解と実践
(22)教室・言語環境の設定
(23)コースデザイン
(24)教授法
(25)教材分析・作成・開発
(26)評価法
(27)授業計画
(28)教育実習
(29)中間言語分析
(30)授業分析・自己点検能力
(31)目的・対象別日本語教育法
(32)異文化間教育
(33)異文化コミュニケーション
(34)コミュニケーション教育
(35)日本語教育とICT
(36)著作権
(37)一般言語学
(38)対照言語学
(39)日本語教育のための日本語分析
(40)日本語教育のための音韻・音声体系
(41)日本語教育のための文字と表記
(42)日本語教育のための形態・語彙体系
(43)日本語教育のための文法体系
(44)日本語教育のための意味体系
(45)日本語教育のための語用論的規範
(46)受容・理解能力
(47)言語運用能力
(48)社会文化能力
(49)対人関係能力
(50)異文化調整能力
各項目のより詳しい内容や、実際の試験形式
については、まだこれから検討するようですが、
上記項目だけで判断すると、現行の日本語教育
能力検定試験の出題範囲で十分賄える内容です。
通信講座「篠研の日本語教育能力検定試験対策」
で十分カバーできますね。
これで一安心です(^_^)
対策が立てやすい制度が変わる前の来年の合格を
目標に今から頑張るもよし。
制度が変わるかもしれない再来年以降の合格を
目指して、今からじっくり篠研の通信講座に取り
組むもよし。
いずれにしても、短期決戦に持ち込むと往々にして
出題範囲の膨大さに、途中で息切れして失敗するので、
できるだけ、長期計画でじっくりじっくり勉強する
のが得策です。
ほとんどの人はそれができないだけに。