「日本語教育能力の判定に関する報告(案)」を読む(2)

先日、文化庁から発表された

「日本語教育能力の判定に関する報告(案)」
https://bit.ly/33JfmP9

を読む。

第2回の今日は、その本丸である

「日本語教育能力の判定に関する報告(案)」
(令和元年11月8日国語分科会)
https://bit.ly/2qTVBFZ

を何回かに分けて読んでいこうと思います。

最初の今日は、そのうち1ページから3ページに
わたって書かれている

「1.資格制度創設の目的」

について読んでいきます。

「いやいや、早く資格の内容に行こうよ。」

そんな声も聞こえてきそうですが、まずは

「そもそもなぜ資格制度を作る必要があるのか。」
「今までのやり方のどこに問題があるのか。」

ということをしっかり押さえていないと、これからの
議論についていけなくなってしまいます。

ですので、最初から順に行きますね。

(1)日本語教師の資格や養成に関する課題

ここの最重要ポイントは、冒頭の一文です。

「現在,日本語教師の資質・能力を証明する資格はない。」

確かに検定試験はありますが、これはあくまでも
能力を測るだけであって、公的な資格ではありません
でした。

そのため、本報告書では、

「日本語教師の資質・能力を正面から担保する仕組みは十分
とは言えない。」

「養成された日本語教師の資質・能力にばらつきが生じている。」

「日本語教育が必要な学校をはじめとする教育機関や企業・事
業者,地方公共団体等が専門性を有する日本語教師の確保に
苦慮している。」

「ボランティアによる日本語学習支援が行われているが,
人員的にも専門的にも限界である。」

と問題点を指摘しています。

昨年の12月に政府は

「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」
https://bit.ly/2CKlRp9

を発表し、

「外国人材の受け皿を国として、しっかりやって
いきましょう!」

と高らかに謳い、

「そのためには、日本語教師苦をしっかりやらねば!」

ということで、今年6月に念願だった

「日本語教育の推進に関する法律」
https://bit.ly/33ZPnTT

を制定したわけです。

にもかかわらず、国として日本語教師を養成・認定する
仕組みができていない。

「それじゃ!ダメじゃーん!」

というのが、いまの状況なんですね。

この辺りは、来年の検定試験に出題される可能性も
ありますので、しっかり理解しておいてくださいね。

というわけで、

(2)日本語教師の質の確保
(3)日本語教師の量の確保

を通じて、質量ともに十分な日本語教師を養成し、
目指すべく共生社会に寄与していこうというわけですね。

特に注目したいのが、(2)にある以下2つの文言。

○専門家としての日本語教師の資質・能力の証明がなされる
ことにより,外国人を雇用する企業や事業者,地方公共団
体,学校等が専門家としての日本語教師を雇用する際の判
断基準が明確になり,質の高い日本語教育の普及につなが
る。

○職業として日本語教師をしている者の資質・能力の向上の
ために考えられる方策を一つの仕組みで解決するためには,
公的な資格制度を設けることが最も効果的である。

前段では、今まで就職先といえば日本語学校ぐらいだった
ものが、

今後は、企業や自治体、学校など、選択肢が増える可能性
があることを示唆していますし、

後段では、職業としての社会的地位の向上を目指している
ともとれる内容です。

これは、かなり明るい材料だと思います。

 

(4)日本語教育が必要な分野・層の拡大による日本語教師の
多様性の確保

は、つまるところ

「学習者もいろいろにタイプが増えるから、それに合わせて
先生もいろいろな先生がいたほうがいいよね。」

ということ。

で、

(5)日本語教師の資質・能力の証明

で、

「公的資格を作りましょう。」

となるわけです。

こうした資格制度によって、私たち日本語教師の質を
保証する後ろ盾を国が担ってくれることになり、

今までクライアントから

「あんた、ほんとに日本語教えられんの?」

とか、

「日本人なら、だれでも日本語教えられるでしょ。」

などと軽くあしらわれていたものが、
(すべてではありません。そういうケースもあったと(笑)。)

「いいえ、私は国が定めた公的資格を取得した
プロの公認日本語教師ですっ!」

と、強く交渉することができるのです。

これは、大きいですね。

ただ、当の日本語教師が本当にしっかりした実力を
身につけなければ、何にもなりません。

これだけ国が大きな期待を寄せているわけですから、
私たち日本語教師も、

「なるほど、さすがプロの日本語教師は違うなぁ。」

と思わせるところを見せていかなければならないわけです。

途中で転ばないためにも、篠研の通信講座で今のうちに
しっかり知的ベースを作っておくことをお勧めします。
(営業ですかね。でも、本当にそう思います。)


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