初級文型導入の授業そのものが、ある日突然ガサっとなくなる日。
先週末の2日(土)に開催した
篠研の日本語の教え方ワークショップ
「初級文型導入の授業準備を短縮する方法」
を受講した方々への復習もかねて。
本セミナーの副題は、
「まずは1時間以内、そして30分、最速10分」
なのですが、
セミナーでもお話しした通り、実はもう
「0分」
という時代が、すぐそこまで来ています。
0分とはどういうことかというと、
そもそも日本語教師はもう初級の文型導入の
授業をする必要性がまったくなくなってしまう
ということです。
「そんなわけないだろう!
じゃあ、いったい誰が文型の導入をするんだ。」
そう思われるかもしれません。
皆さんは、『げんき』という初級教材を
ご存知でしょうか。
『げんき』
https://amzn.to/2rbph1z
が文法解説ビデオを配信するサービスを始めました。
これです。
げんき-文法解説ビデオ
http://grammarvideoforgenki.com/
(↑これ、セミナーではお見せできなかったかと。)
学習者は、事前に自宅学習でこの文法解説ビデオを
視聴し、あらかじめ文法項目について勉強しておく。
そして、実際の授業では文法項目をつかったより
コミュニカティブな活動をする。
こうした授業形態を「反転授業」と言います。
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反転授業とは
反転授業(はんてんじゅぎょう、英語: flip teaching
(or flipped classroom))は、ブレンド型学習の形態
のひとつで、
生徒たちは新たな学習内容を、通常は自宅でビデオ授業
を視聴して予習し、教室では講義は行わず、
逆に従来であれば宿題とされていた課題について、教師
が個々の生徒に合わせた指導を与えたり、生徒が他の生
徒と協働しながら取り組む形態の授業である。
ーwiki
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こうした授業によって、学習効果や学習効率の向上が
期待できますし、
知識の量よりもコミュニケーション能力が求められる
時代の要請にもこたえた日本語教育ができます。
また、特に初級においては今まで多くの時間を割いて
いた文法指導がかなり減りますので、
その分、日本人との交流や異文化体験など体験型の
授業を増やすことで魅力的なカリキュラムを構築
することもできるでしょう。
こうした反転授業のメリットが多くの教育機関で
認知されれば、
『げんき』のような教材が今後多くの教育機関で
採用されるようになるでしょうし、
出版社側もそうした教材にシフトしていくかも
しれません。
例えば、最近このような教材が出されました。
『みんなの日本語初級I第2版 教え方の動画』
https://www.3anet.co.jp/np/books/9004/
今のところ教師向けのコンテンツのようですが、
これをそのまま学習者に公開すれば、反転授業用
コンテンツですよね。
そう考えると、初級の文型導入の授業や授業準備に
生身の教師が労力の大半を費やすなどというのは、
まったくもってナンセンスということになります。
巷では、なにかと「働き方改革」という名の
時短勤務が進められているようですが、
働き方の本質はそんなところにあるのではなく、
まさに「働き方の質」をどう変えていくのか
というところにあるのです。
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「初級文型導入の授業準備を短縮する方法
-まずは1時間以内、そして30分、最速10分」セミナー動画
https://www.kanjifumi.jp/bunkeitansyuku_doga/