検定試験完全攻略法(3)-形容詞の種類と人称制限とエトセトラ。
過去10年分の検定試験を見てみると、
形容詞に関する問題が、意外とそこかしこに
見られます。
で、検定試験で形容詞の問題が出たら
「ラッキー!!」
と思ってください。
なぜなら、問われる内容がほぼほぼ決まって
いるからです。
まず、鉄板なのは
「形容詞の種類と人称制限」
形容詞には、「長い」「重い」「白い」など
物や人の性質や状態を表す属性形容詞と、
「うれしい」「楽しい」「悲しい」など
人の感覚や感情を表す感覚・感情形容詞の
2種類があります。
これが形容詞の種類。
そして、人称制限というのは、
属性形容詞は、人称に関わらずそのままで使う
ことができますが、
感覚・感情形容詞は、1人称はそのままで使える
ものの、
3人称では、そのままでは使えず、「~そうです」や
「~たがっています」といった様態を表す表現をつけ
なければ使えないといった使用制限があります。
下の例を見てください。
まずは、属性形容詞の場合。
例1)私は背が高い。
例2)彼は背が高い。
どちらも「高い」と、そのままで使えます。
ところが、感覚・感情形容詞の場合、
例3)私は楽しい。
例4)彼は( *楽しい 楽しそうだ)。
(*は非文を表す。)
3人称だと、そのままで使えないんですね。
ここまでが鉄板問題。
次に、ちょっと難度が上がると、
形容詞連用形の形容の働きなどが
問題に上がってきます。
例えば、平成23年試験I問題1。
性質の異なるものを選ぶ問題の(6)。
答えが何になるか考えてみてください。
【形容詞連用形の働き】
1 自分の将来のことを真剣に考える。
 ̄ ̄ ̄
2 方言で話すと柔らかく聞こえる。
 ̄ ̄ ̄ ̄
3 彼女は実際の年齢より若く見える。
 ̄ ̄
4 私にはその話は不思議に思われる。
 ̄ ̄ ̄ ̄
5 今日はずいぶん涼しく感じる。
 ̄ ̄ ̄
ヒントは、それぞれの形容詞がどの語を
形容しているか。
さて、答えはどれでしょう。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
まずは、ご自身で考えてみてくださいね。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解は。。。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
1番です。
選択肢1の「真剣に」が形容しているのは「考える」
選択肢2の「柔らかく」が形容しているのは「話す(=話し方)」
選択肢3の「若く」が形容しているのは「彼女」
選択肢4の「不思議に」が形容しているのは「その話」
選択肢5の「涼しく」が形容しているのは「今日」
つまり、選択肢1だけ直後の動詞を形容し、
それ以外の選択しは、形容詞の前の語を形容して
いるんですね。
あと、おまけにもう一つ。
それは「同じ」という語彙。
ものの状態を表していて「同じだ」ということができる
ので、形容動詞のようですが、
でも、「同じな人」のような使い方はできませんので
形容動詞ということはできません。
じゃあ、「~だ」と言えるのであれば名詞かな
と思いきや、
「同じの人」とは言えませんので名詞とも言い難い。
でも、「同じ人」とは言えますので連体詞のような
働きもあるのですが、
連体詞であれば「同じだ」のように文の述語になる
ことはできないので、連体詞とも言い切れない。
というわけで、「同じ」という語彙はすこぶる
特殊な語なわけです。
覚えておくといいでしょう(^_^)