日本語教師のキャリア形成の肝は、すべてテトリスが教えてくれた。
日本語教師のキャリア形成は、すべからく
「先手必勝」
「用意周到」
に尽きます。
来年、3年後、5年後、10年後にどんなことが
起こるかを予想し、
事が起こったときにうまく対処できるために、
今からやるべきことを粛々と実行する。
先手先手で準備をすれば、それだけ準備に
十分な時間や労力をかけることができますし、
たとえ、その準備に誤りがあったとしても
早期発見、早い段階で軌道修正をすることも
できます。
結果的に、事が起こったときには、
「はい、待ってました!」
とばかりに、悠々と対処することが
できるわけです。
例えば、昨年、日本語学校の入学予定者の
在留資格の許可率が1ケタ台にまで落ちた
ということがありました。
このことは、学生数の急落、ひいては日本語
教師の処遇に直結する問題です。
読者の方の中には、
「契約が一方的に打ち切られた!」
「運が悪かった。」
という方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、このようなことは実は数年前から
容易に想像できたこと。
なぜなら、留学生30万人計画が達成されれば、
とたんに入管の締め付けが起こるのは、最初
から分かっていたからです。
(これは、留学生10万人計画で経験済み。)
実際、日本学生支援機構の調査では、平成30年
5月時点での国内留学生数は、すでに298,980人。
もう30万人は超えているでしょう。
となると、私たちこの業界に20年以上いる人間は、
「あぁ、そろそろ来るな。」
と分かるわけです。
「日本語学校頼みの日本語教師は必ず行き詰まる。
他の選択肢も用意しなければ、教師は倒れる。」
と。
そこで、私は小山さんや工藤さんとタイアップして
ビジネスパーソン学習者に対する日本語教育セミ
ナーを実施したり、
堀さんとタイアップして技能実習生に対する日本
語教育セミナーを実施したりしながら、
日本語学校以外の仕事の選択肢をご提案させて
いただいているわけです。
先手先手で打って出ていれば、彼らに対する日
本語教育が今以上に本格化したときに、余裕を
持って対処できるわけですね。
これは、まるでテトリスのようなもの。
上から落ちてくる目の前のブロックだけを見て
いたら、あっという間にブロックが積み上がり、
いよいよというところで、一番来てほしくない
形のブロックが落ちてきて、
対処のしようもなくゲームオーバー。
多くの人は、ここで
「運が悪かった。」(どこかで聞きましたね。)
と嘆くわけですが、
運が悪いわけではなく、そもそもこうなる前に
先手先手で手を打たなかったが故の当然の帰結。
一方、テトリスの画面全体を見ながら、次に落ちて
くるブロックのことも考えて、
目の前に落ちてくるブロックをどの位置、どの向き
で落とすのがベストかを考えながら落としていけば、
ブロックが落ちるたびに、下のブロックがどんどん
消えていき、
積みあがることもなく、悠々とゲームを進めることが
できるわけです。
日本語教師のキャリア形成も全く同じ。
▼業界の流れを大きくとらえ、
▼次に何が起こるのかを注意深く観察し
▼それに対処するための準備を早期にしっかり行い、
▼事が起こったときには悠々と対処する。
私がこうして10年以上メルマガをいそいそと書いて
いるのも、今日明日の売上を上げるためではなく、
10年後、20年後に自分を支えてくれる資産形成のため。
年金2,000万円問題なんて、何を今さらです。
日本語教師のキャリア形成は、すべからく
「先手必勝」
「用意周到」。
何年先まで考えて、行動していますか。