注意したい非言語行動。
私たちが普段何気なく行っている動作の中にも、
ある文化圏ではとても受け入れられないメッ
セージ性を含んでいる、ということがあります。
いくつか注意すべきものを紹介します。
検定試験にもちょくちょく出題される事例です。
▼タイでは、子どもの頭をなでてはいけない。
タイでは、頭には神が宿るといわれています。
従って、相手が子どもであっても、頭に触れる
のは大変失礼なこととだとされます。
例えば、タイ人の教え子が数年後赤ちゃんを
連れてやってきても、安易に頭に触れるのは
避けたほうがいいでしょう。
▼アラブ諸国では、靴底や足裏を相手に見せて
はいけない。
アラブ諸国では、相手に靴底や足裏を見せる
ことは大変失礼な行為にあたります。
ですので、アラブ諸国出身の学習者がいるク
ラスで、足を組んで座るなどして、相手から
見て靴底が見えるような姿勢になるのは、
避けたほうがいいでしょう。
▼ドイツでは、手のひらを相手に向けて
挙手をしてはいけない。
ドイツでは、手のひらを相手に向けて挙手を
することはせず、代わりに人差し指を上げる
動作をします。
手のひらを相手に向けた挙手は、ナチスドイツ
を連想させるためなのだそうです。
▼インドネシアでは、左手でものを渡しては
いけない。
世界最大のイスラム国であるインドネシアでは、
左手は「不浄の手」と言われ、
左手を使って相手にものを渡すのは大変失礼な
行為となります。
従って、食事のときはもちろん、対人コミュニ
ケーションの際にも、必ず右手を使います。
以上のほか、例えば、イギリスでは手の甲を向けた
Vサインが侮辱の意味をあらわしたり、
首を縦に振ることが文化圏によって「Yes」であった
り「No」であったりするなど、さまざまです。
一度クラスで、日本人やクラスメートの気になる
ジェスチャーについて話し合ってもいいかもしれ
ません。