デジタル教材で伸びる教師と淘汰される教師。
今回、参加した
令和元年度日本語学校教育研究大会ポストセッション
「ICT と日本語教育」
https://www.nisshinkyo.org/news/detail.php?id=1969&f=news
の新企画
ディベート「AI は日本語教師を駆逐するか?」
AIが普及すると、日本語教師はいらなくなるのか、
といった内容。
私の基本的な考え方としては、
駆逐される教師もいるが、逆に伸びる教師もある。
です。
言い換えれば、
教師として生きるも死ぬも、AIとの付き合い方次第。
だから、その付き合い方をしっかり見極める必要が
ある。
では、どのように付き合えばいいのか。
AIの普及で伸びる教師と淘汰される教師は
どこが違うのか。
私的に端的に言えば、
「教師(雇い主)-AI(雇われ人)」
という関係を維持できる教師は、今後も
間違いなく伸びていくでしょう。
一方、
「AI(雇い主)-教師(雇われ人)」
という関係に甘んじる教師は、
唯一無二の存在としての存在価値を発揮でき
ないので、
いずれ血で血を洗う低価格競争に巻き込まれ、
淘汰されるでしょう。
かつて私がeラーニング教材を作ったのは、
自分の代わりに授業をやってくれるシステム、
すなわち自分の分身をつくるためでした。
つまり、自分が授業のマネージャーとなって、
具体的作業はデジタル教材にさせると。
つまり、
「教師(雇い主)-デジタル教材(雇われ人)」
という関係。
このデジタル教材に、AIという頭脳が入ると
考えれば、
今まで以上に優秀になるわけですが、かといって、
この関係性に変わりはないと。
この関係を構築すれば、雇い主たる教師は
どんどん作業量が減って楽になりながら、
それに反比例して労働効率が爆発的に向上し
所得もQOLもグングン上げることができるわけ
です。
一方、
「デジタル教材(雇い主)-教師(雇われ人)」
という関係は、その逆なわけですから、あとは
推して知るべし。
日本語教師として長くやっていきたいのであれば
何としても避けなければならない。
こう言うと、
「であれば、そもそもそんなリスキーなAIとか
かわらなかければいいだけの話じゃないか。」
と思われるかもしれません。
しかし、その選択肢はもはやないというのが
現状。
例えば、現在販売されているこの商品。
ポケトーク
https://amzn.to/2ZyA0zq
今はまだ翻訳の精度に問題があるようですが、
これにAIがドッキングして、精度が高まれば
どうなるでしょうか。
日能試N4れべるなら、コストをかけて日本語教育を
するよりも、
このツールでコミュニケーションする方が、よほど
低コストで手軽です。
技能実習生なら、むしろポケトークを持たせた方が
いいのではと思わせるぐらい。
経営者ならどう判断するかは、火を見るよりも明らか
です。
また、こうしたことはAIに限ったことではありません。
例えば、日々の授業をメインテキストの指導書
の通りにやっているとしたら、
それは単に教師が指導書の通りに動かされている
だけというわけですから、
まさに、
「教材(雇い主)-教師(雇われ人)」
という関係。
こういう関係である以上、安売り競争から
抜け出すことはできないわけです。
思い当たるふし、ありませんか?
つまり、AIであろうが、デジタル教材であろうが、
従来の紙媒体の教材であろうが、本質は同じなのです。
どちらの道を選ぶかは、あくまでもご自身の
自由ですが、
「無意識のうちに、望まぬ道を選んでしまっていた。」
というのであれば、意識的に思考と行動を
急いで修正する必要があると思います。