ザ行がジャ行になってしまう学習者への指導法。
これは、韓国や東南アジアの学習者によく
見られる誤用です。
「ザ・ズ・ゼ・ゾ」の子音は有声歯茎破擦音
(語頭の場合。語中ではで有声歯茎摩擦音)、
一方、「ジャ・ジュ・ジェ・ジョ」の子音は
有声歯茎硬口蓋破擦音(語頭の場合。語中で
は有声歯茎硬口蓋摩擦音)ですから、
調音点の違いによって起こる誤用である
ということができます。
従って、破擦音の最初の音である[d]で歯茎の
位置を確認し、
そこから[z]に続くように発音する練習が効果的
です。
具体的には以下の通りです。
1.まず、[d]と何回か発音し舌先が歯茎についている
ことを確認する。
2.[d]から僅かだけ舌先を歯茎から離し、[z]を発音
する。
3.[d]と[z]を交互に発音し、最後に[dz]を発音する。
その際、[d]の時の舌先の接地面が舌先だけになる
ようにする(接地面が広がると「ジュ」になって
しまう。)
4.最後に[dz]の後に母音[a]をつけて、「ザ」と発音
する。
また、学習者によっては、[s:::::::z::::::a,za]のように、
「サ」([s])の音をずっと発音したまま、声を出して
[z]にし、
最後に母音[a]をつけて「ザ」([za])と発音する練習で
うまくできる場合もあります(国際交流基金(2009)p.21)。
引用した書籍はこちらです。
国際交流基金(2009)『音声を教える』ひつじ書房
http://amzn.to/2izYszl
具体的な指導法が満載で、音声指導の本としては
一押しです。