初めの少しのゆがみが、あとには大きくゆがむもの。
剣道をしているからでしょうか、宮本武蔵の言葉には
心惹かれるものがたくさんあります。
例えば、
「一理に達すれば、万法に通ず。」
1つの道を深く、深く、深く追求すれば
すべてに共通の真理に達する。
「千日の稽古をもって鍛となし、
万日の稽古をもって錬となす。」
人はとかく「効果的」「効率的」という言葉に
踊らされ、
「ちゃちゃっとやって、ちゃちゃっと結果を出す。」
そんなものを求めたがるものですが、
そんなレベルで得られるものなど、たかが知れて
いますし、
そのような取り組みで、その分野で通用するような
人間的な迫力など身につけられるはずがありません。
そんな中、最近ひと際気になる言葉がこれです。
「初めの少しのゆがみが、あとには大きくゆがむもの。」
特に、検定試験を目指す方の中には
「そこまで頑張りますか!」
と、私でも驚くほどの勉強をしていながら
なかなか結果に結びつかない方に時々お会いします。
どこかが少し歪んでいる。
どこかで少し無理をしている。
どこかで少し詰めが甘い。
初めのうちは、試験勉強も勝手が分からないので
致し方なく、
また、その歪みの広がりも徐々に進むものなので、
本人はなかなか気がつきませんが、
これが途中修正されないまま進んでしまうと、
気がついた時には
本流から大きく歪んでいる。
無理に無理を重ねている。
詰めが甘く一線を越えられない。
という事態になってしまいます。
ただ、(繰り返しますが)
ご本人は相応に努力もなさっているだけに、
ご自身ではなかなか気がつかないことが多い。
これは本当にもったいないこと。
しかしながら、これは、経験のない方やこの業界に
人脈のない方がよく陥る落とし穴でもあるのです。