コースが終了するまでシラバスが完成しないって、あり?なし?
通常、シラバスというと、コース開始前に
しっかり決まっていて、
それをもとに、クラスごとにコースデザイン
をし、
プレイスメントテストで振り分けられた学習者を
それぞれのレベルに合ったコースに流し込む。
そんなイメージを持たれる方が多いかもしれ
ません。
そう考えると、
「コースが終了するまでシラバスが完成しないって
ありえない!!無責任にもほどがある!!」
と思われるかもしれませんね。
ですが、結論から言いますと、
「あり」「あり!」「大あり!!」(笑)
です。
このように、コース終了時に確定するシラバスのことを
「後行シラバス」
と言います。
この点について、
【通信講座「篠研の日本語教育能力検定試験対策」】
http://www.kanjifumi.jp/become/distancelearning/
の講義資料
「No.047 コースデザイン(教育課程編成)、
カリキュラム編成 レッスン」
で、以下のように解説しています。
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後行シラバス
後行シラバスとは、コース終了時に確定するシラバスの
ことです。
例えば、仕事の都合等で毎回レッスン参加が難しいビジ
ネスピープルの場合、
「積み上げ式」の授業を行うと、学習者はたちまちドロッ
プアウトしてしまいます。
そこで、いつ授業に参加してもスムーズについてこられる
よう、
各回完結型の教材(これをモジュール教材といいます。)を
使ったコース運営をすることがあります。
この場合、参加した授業によって、学習者それぞれのシラ
バスが異なり、
コース終了時に最終的なシラバスが確定することになる
わけです。
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日本語学習者は、実に多様です。
国籍、年齢、ニーズ、レディネス、日本語
学習歴、在留資格がさまざまなら、
学習スタイルもまたさまざま。
ですので、授業の進め方も学習者に合わせて
フレキシブルに行うことが肝要です。
ちなみに、シラバスは完成時期によって
▼先行シラバス
▼後行シラバス
▼可変シラバス(プロセスシラバス)
の3種に分けられます。
私たち日本語教師も、学習者のニーズに対応
できるよう、
シラバス1つにしても、複数の選択肢をもって
おくと、
お互いハッピーな授業を展開することができる
んですね。